気象庁は19日、箱根山の芦ノ湖西岸で火山性地震が増えているとして、噴火警戒レベルを1から2に引き上げた。これは2015年以来、約4年ぶりである。箱根山は神奈川と静岡の県境に位置し富士箱根伊豆国立公園に属する標高1438mの活火山だ。

  (2016年の小噴火)

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 (ネットより引用)

 コニーデ火山の代表格である富士山は山体崩壊に至るような噴火を起こしていない。だからこそ円錐形の美しい原型を保つ。だが箱根山は違う。山体は吹き飛び原型を保っていない。一説では現在の倍の高さであったそうだ。

 この箱根山は、3000年前の噴火で大涌谷や芦ノ湖を形成した。50000年ほど前の噴火では火砕流が横浜市西部まで到達していることから文字通り破局噴火であったと見られている。

 神奈川県の人口(約920万人)の内、3分の1は湘南地域に居住する。横浜市の西部地区には横浜の人口(372万人)の半数が、そして相模原など北部地区にも110万人が暮らしている。仮に現在なら被災者は合わせて600万人にも及ぶ。あくまで火砕流だけであり、これに降灰が加わる。これがまた凄まじい。

 こうした破局噴火による降灰量は、小田原で4m、湘南地区で1m、横浜市や東京23区では20cmに達した。ある試算によると、トカラ列島の噴火で日本列島が壊滅するであろう降灰量は東日本で10cmである。10cmなら関東地方のみならず東北地方や北信越まで降り積もるかも知れない。東京は2~3cmでも長期に渡る機能停止は陥れないだけに10cmなら再建の見通しさえ立たない。風向きにもよるが、浜岡原発のある静岡県の南東部は、さらに近い。

 日本では今、十を越える活火山が動いている。数日前にはには九州の阿蘇山でも小規模な噴火活動が観測された。

 M9を超える巨大地震の場合、数年以内に大規模噴火に至る確率は100%に近い。だが、東日本大震災から8年、まだこうした兆候はない。ならば次なる噴火はどこなのか。その前に別の地震を誘発するのか。

 巨大地震や噴火は怖い。だが、一ヶ所に目を奪われている間に虚を衝かれるのは、もっと怖い。世界最大の海底火山(タム山塊)だって日本近海にある。これが動けば地球規模の破局噴火だって免れまい。巨大地震、そして巨大な津波が同時に発生して太平洋一帯を襲う。成層圏に達した火山灰は、この世を暗黒の極地へと導く。まっ、これはないと思うが、物事に絶対はない。箱根山も恐いが、やはり人間社会にとって一番厄介なのは文明に対する自然界の反乱ではなかろうか。

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 因みに、箱根山の鳴動と時期を同じくして発生した大地震は・・。

☆箱根山に噴火の兆候があった年代
★同年代に発生した大地震
(◎はM8クラスの巨大地震)
(○はM7前後の大地震)

☆1933~34年
★1933年、◎昭和三陸地震、M8.4
(死者行方不明、3064人)

☆1953年
★1952年、◎十勝沖地震、M8.2
(死者行方不明、33人)

☆1974~78年
★1973年、◎根室半島沖地震、M8.1
★1974年、○伊豆半島沖地震、M6.9
(死者30人)
★1978年、○伊豆大島近海地震、M7.0
(死者25人)

☆2001年
★2000年、○伊豆諸島で群発地震、M6~
(最大震度6弱)
★2001年、芸予地震、○M6.8
(死者2人)

☆2008年
★2008年、○宮城内陸地震、M7.2
(死者行方不明、23人)

☆2011年
★2011年、◎東日本大震災、M9.0
(省略)

☆2015年
★2015年、◎小笠原諸島西方沖、M8.1
★2016年、○熊本地震、M7.0
(省略)

 このように大きな地震が相次いでいる。しかも2001年と2008年を除けば(M8超の)巨大地震ばかりだ。巨大地震の発生頻度は低い。それが何故、これだけ符合するのか。何らかの兆候でなければ良いが・・。