霧島連山がまた動き出した。一昨日(25日)、霧島山・新燃岳の噴火警戒レベルは1(活火山に留意)から2(火口周辺規制)に引上げられた。新燃岳では、火口直下を震源とする火山性地震が増加しており、24日3回、25日25回以上、26日44回(午前)となっている。

(新燃岳の火山性地震の発生回数)

 ☆火山性地震  ★火山性微動
 
 24日00時から25日00時、☆03回、★0回
 25日00時から25日06時、☆03回、★0回
 25日06時から25日12時、☆10回、★0回
 25日12時から25日18時、☆12回、★0回
 25日18時から26日00時、☆23回、★0回
 26日00時から26日12時、☆44回、★0回
(気象庁データより)

 霧島連山の噴火は不思議と東日本の鳴動期に重なる。それも関東地方の大地震に関わることが多い。西暦742年以降、火山噴火は16回観測されているが、この百数十年でも次の如くだ。

 ☆霧島連山の火山噴火年代
 ★東日本での大地震

 ☆1895年から96年の火山噴火
 ★1894年、明治東京地震、M7.0
 ★1896年、茨城県沖地震、M7.3
 ★1896年、明治三陸地震、M8.5

 ☆1900年の火山噴火
 ★1901年、青森東方沖地震、M7.2

 ☆1923年の火山噴火
 ★1923年、関東大震災、M7.9

 ☆1959年の火山噴火
 ★1960年、三陸沖地震、M7.2
 ★1960年、(参考)チリ地震津波

 ☆1991年の火山噴火
 ★1993年、釧路沖地震、M7.6
 ★1993年、北海道南西沖地震、M7.7

 このように霧島の噴火は東日本で発生した地震と深く関わっているように見える。特筆すべきは関東地方の地震であろう。有史以来平均で霧島連山の火山噴火は約80年に一度であるが、関東地方を襲う大地震は約100年に一度であり、これらが重なり合う確率は極めて低い。それが歴史的な被害地震と時期を同じくしているのだ。

 ひとつは1894年の明治東京地震で、そしてもうひとつは甚大な被害を出した1923年の関東大震災であろう。関東大震災は改めて言うまでもないが明治東京地震は意外と知られていない。

 この地震は東京湾北部を震源に発生し、東京の下町や横浜、川崎といった湾岸一帯に大きな被害をもたらした。樋口一葉は「水の上日記」で、この地震被害を紹介し、谷崎潤一郎も「幼少時代」に自宅の被害状況を書き残すなど、典型的な首都直下型地震でもあった。

 相模沖や房総沖の海溝型も心配だが、首都直撃なら、こうした地震が先ではないか。なにせ東京湾は隠れた地震の巣だ。既述「東京湾でも巨大地震の危機」通り、1989年には本震ならM8.3から8.7にも相当するであろう巨大なスロースリップ(ゆっくり地震)が起きている。

 明治東京地震から125年、関東大震災からは96年が経過する。火山と地震は繋がっている。加えて黒潮の大蛇行の年代に限って伊豆地方を主に関東地方でも(火山も地震も)動く傾向にある。霧島連山だけに起因するのではなく、地震に火山、それに気象変動でさえ遠方だからといって侮ってはいけなこのい、ということか。

 因みに、近年の噴火は2011年、2017年、2018年だが、2011年には東日本大震災が発生。この年、新燃岳の噴火活動は1月から本格化し、そして3月11日の巨大地震に至っている。

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 (さざ波状の雲)

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 (2月26日早朝)

 先日(2月15日掲載)同様、こうした雲が出ていた。前回は直下や周辺部を含め、約50km圏内に一週間に渡って、震度2前後の地震が相次いでいた。風向きに対して直角に、こうした雲ができる場合、磁場は至近一帯であることが多い。いわば、砂鉄を振り撒いて、下から面磁石を宛がったようなものだ。地震多発地帯でもあり検証は難しいが、ともあれ、全国的に雨の合間には、やや強い地震に注意・・。