日本銀行が(6月に)発表している2018年1~3月の資金循環統計(速報)によると、家計の金融資産残高は、前年度末より2.5%増加の1,829兆円で、期末の残高としては過去最高だった。株価上昇により株式の評価額が膨らんだことに加えて、現金・預金の増加も継続しているためとみられている。
内訳をみると、『現金・預金』が全体の52.5%を占め961兆円、前年比では2.3%増となり、45四半期連続の増加だった。『株式等』は11.7%の増加で199兆円である。さすがに、経済大国ニッポン、と言いたいところだが現実は非常に厳しい。
株価が下げ止まらない。帝王トランプに加え、アップル危機にゴーンショックと不安定要素は枚挙にいとまがない。原油の先物相場も下げ続ける。NYダウは乱高下、原油も9月30日の74.34$をピークに53.43$(20日現在)まで急降下。負の連鎖は日本にも及ぶ。日経平均株価も2万2千、2万1千と、2万円割れが現実味を帯びる。この1ヶ月半だけでも10%以上下げている。上記の試算も、これで金融資産の増加分は水泡に帰してしまう。2万円以下なら金融資産残高の損失額は計り知れない。
かつて、東京の永代通りは倒産通りとも呼ばれた。江東区の永代橋を渡る通りのことだが、ここには多くの金融機関が集積していた。それが、1997年の金融不安で次々と倒産、撤退を余儀なくされた。山一証券、三洋証券、北海道拓殖銀行支店などである。倒産ではないが、東急百貨店の日本橋支店も閉店に追い込まれた。
歴史は繰り返す。今、当時と極めて似た状況にある。1997年はミニバブルで始まる。5月には平均株価も2万円を超えた。2万1千円に迫るや否や、評論家からは、2万5千円や3万円説が続出した。誰もが好景気を確信した。だが、それも長くは続かない。乱高下の後、年末には14.488円まで暴落する。
現在も同じだ。今年は早々に2万4千円を超えた。3万円説が相次いだ。だが実際は逆行している。しかも取り巻く情勢は極めて厳しい。2万円で止まる保証もない。1998年には1万2千787円まで下げ、そして2001年には遂に1万円を割って、リーマンショックの影響もあり、2008年の6.994円まで下げ続けてゆく。
(平均株価の推移)
株価だけではない。不動産だって心配だ。景気後退に加えて2019年問題が控える。人口に続いて世帯数の減少が始まる。需給バランスの崩壊は不動産価格を暴落させる。廃屋が急増する。2020年の東京五輪以降は、さらに拡大するだろう。1997年、2016年と、消費増税がらみは同じだが、抱える問題は今の方が遥かに深刻なのだ。
この先、家計資産残高は激減。反面、国の借金だけは増え続ける。昨年末の負債(1088兆円)も、恒例の口上「日本は金融資産残高が多いから大丈夫」が、虚しく聞こえてしまう。
1997年から1998年にかけてはエルニーニョによる異常天候で経済的にも不安定な年だった。今年も同じく、その渦中に入りつつある。だが、今度ばかりは“歴史は繰り返す”では済まされない。何せ原資がない。国庫資金の涸渇で社会保険制度は崩壊。自己資金は消滅の危機にある。この際、消費増税は、もう少し様子見が賢明ではなかろうか。さもないと本当に倒産列島になってしまうかも知れない。
◇◇◇◇◇◇◇
《追記》
(これは何??)
(飛行機雲でもなく延々と棚引く筋雲)
内訳をみると、『現金・預金』が全体の52.5%を占め961兆円、前年比では2.3%増となり、45四半期連続の増加だった。『株式等』は11.7%の増加で199兆円である。さすがに、経済大国ニッポン、と言いたいところだが現実は非常に厳しい。
株価が下げ止まらない。帝王トランプに加え、アップル危機にゴーンショックと不安定要素は枚挙にいとまがない。原油の先物相場も下げ続ける。NYダウは乱高下、原油も9月30日の74.34$をピークに53.43$(20日現在)まで急降下。負の連鎖は日本にも及ぶ。日経平均株価も2万2千、2万1千と、2万円割れが現実味を帯びる。この1ヶ月半だけでも10%以上下げている。上記の試算も、これで金融資産の増加分は水泡に帰してしまう。2万円以下なら金融資産残高の損失額は計り知れない。
かつて、東京の永代通りは倒産通りとも呼ばれた。江東区の永代橋を渡る通りのことだが、ここには多くの金融機関が集積していた。それが、1997年の金融不安で次々と倒産、撤退を余儀なくされた。山一証券、三洋証券、北海道拓殖銀行支店などである。倒産ではないが、東急百貨店の日本橋支店も閉店に追い込まれた。
歴史は繰り返す。今、当時と極めて似た状況にある。1997年はミニバブルで始まる。5月には平均株価も2万円を超えた。2万1千円に迫るや否や、評論家からは、2万5千円や3万円説が続出した。誰もが好景気を確信した。だが、それも長くは続かない。乱高下の後、年末には14.488円まで暴落する。
現在も同じだ。今年は早々に2万4千円を超えた。3万円説が相次いだ。だが実際は逆行している。しかも取り巻く情勢は極めて厳しい。2万円で止まる保証もない。1998年には1万2千787円まで下げ、そして2001年には遂に1万円を割って、リーマンショックの影響もあり、2008年の6.994円まで下げ続けてゆく。
(平均株価の推移)

株価だけではない。不動産だって心配だ。景気後退に加えて2019年問題が控える。人口に続いて世帯数の減少が始まる。需給バランスの崩壊は不動産価格を暴落させる。廃屋が急増する。2020年の東京五輪以降は、さらに拡大するだろう。1997年、2016年と、消費増税がらみは同じだが、抱える問題は今の方が遥かに深刻なのだ。
この先、家計資産残高は激減。反面、国の借金だけは増え続ける。昨年末の負債(1088兆円)も、恒例の口上「日本は金融資産残高が多いから大丈夫」が、虚しく聞こえてしまう。
1997年から1998年にかけてはエルニーニョによる異常天候で経済的にも不安定な年だった。今年も同じく、その渦中に入りつつある。だが、今度ばかりは“歴史は繰り返す”では済まされない。何せ原資がない。国庫資金の涸渇で社会保険制度は崩壊。自己資金は消滅の危機にある。この際、消費増税は、もう少し様子見が賢明ではなかろうか。さもないと本当に倒産列島になってしまうかも知れない。
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《追記》
(これは何??)

(飛行機雲でもなく延々と棚引く筋雲)