今日午前、愛知県東部でM5.1の地震があり、最大震度4を観測。一昨日には北海道の胆振地方を震源にM5.3の地震があったばかりだ。こちらは前月の余震と思われ最大震度は5弱だった。前日(4日)にも千葉県東方沖を震源とする地震で緊急地震速報が発令されている。今度もまた気圧の変化で揺れたことになる。

 千葉の場合、規模はM4.6(最大震度4)と誤報に近い数値で事なきを得たが、いずれも台風の通過直後であった。まだ台風25号が日本海を東進して北日本を通過したばかりであることから、もうしばらくは様子見ではないだろか。

(天候(気圧)の変わり目は大地震の厄日〉
https://blogs.yahoo.co.jp/rohitigu/36209197.html

 布の一部を強く引くと、その部分ではなく、離れた弱い箇所から裂け始める。地震も同じで、気圧の低い部分からの応力が、そのプレートで最も弱い部分に及んで破断させるのではないか。大きな地震ほど風雨の最中になく、荒天明けの穏やかな日和に集中することからも、こう考えないと説明が付かない。

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 今から24年前(1994年)の10月、北海道の根室半島東方沖を震源に、マグニチュード8.2の地震が発生した。この地震は2011年に東日本大震災(M9.0)が起こるまでは、気象庁がデータを取り始めた1923年以降、最大規模とされた巨大地震である。

 被害は震度6を観測した釧路市を中心に、負傷者437人の他、住宅全壊61棟、半壊348棟、一部損壊7095棟など広範囲に及んだ。最も甚大な被害は北方四島で、津波に襲われた択捉島では死者行方不明11名に達し、約1万人の島民がロシアへの移住を余儀なくされたといわれる。

 そもそも北海道東岸は地震が多い。20世紀以降で見れば日本列島に関わる巨大地震の8割が集中している。

☆(北海道の東方沖を震源とする地震)
★(北海道東方沖地震)

☆1918年09月08日、択捉沖地震、M8.0
☆1952年03月04日、十勝沖地震、M8.2
☆1958年11月07日、択捉沖地震、M8.1
☆1963年10月13日、択捉沖地震、M8.1
☆1968年05月16日、十勝沖地震、M8.0
☆1969年08月12日、色丹沖地震、M8.2
★1994年10月04日《北海道東方沖地震》
☆2003年09月26日、十勝沖地震、M8.0

 これ以外にM7クラスも満遍なく発生しており大地震の発生頻度は日本列島の中でも群を抜いて高い。平均すれば巨大地震だけでも10年に1度であり、M7超の地震を加えるなら約5年に1度となる。2003年の十勝沖地震から既に15年が経過する。いつあっても不思議ではあるまい。

 一方、南海トラフ型ではどうか。こちらは、春から夏(4月~8月)に少なく、秋から春(9月~3月)にかけて多発する傾向にある。

☆(春から夏に発生した巨大地震)
★(秋から春に発生した巨大地震)

★684年11月26日、白鳳地震、M8.0~9.0
★887年08月22日、仁和地震、M8.0~82
★1096年12月11日、永長地震、M8.0~8.5
★1099年02月16日、康和地震、M8.0~8.5
★1361年07月26日、正平地震、M8.5
★1498年09月11日、明応地震、M8.2~8.4
★1605年02月03日、慶長地震、M7.9~8.0
★1707年10月28日、宝永地震、M8.4~8.6
★1854年12月23日、安政東海地震、M8.4
★1854年12月24日、安政南海地震、M8.4
★1944年12月07日、昭和東南海地震、M8.2
★1946年12月21日、昭和南海地震、M8.4

 このように(南海トラフでは)歴史に残る巨大地震だけでも12回あるが、8回は11月下旬から2月に発生しており、しかも5回が12月に集中している。11月下旬の白鳳地震を加えれば半数が年末であることにお気付きだろうか。

 南海トラフだけではない。1703年の元禄地震(12月31日、M8.1~8.5)がそうであるように、大きな地震ほど、なぜか年末にかけて増える傾向にある。偶然に越したことないが、秋から冬は、なにやら不穏な雲行きに覆われてゆく。台風シーズンの終りは巨大地震の始りでもある。これからの季節、こちらも、いつあっても不思議ではないということだ。

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《余談》

 ノーベル賞は今年も本庶佑の医学生理学賞に沸いたが、『天災は忘れた頃にやって来る』の名言を残した寺田寅彦は、物理学賞の有力候補だったそうだ。同じくX線を使って結晶を調べる研究で、英国のブラッグ父子が受賞していることからも、今なら同時受賞したのではないかといわれている。

 彼は地震研究の上でも異彩を放った。自然界の異変から予知を試みた。だが当時は一笑に付され、デマの対象でしかなかった。こうした渦中にあって、あの関東大震災は発生した。もし、ノーベル物理学賞を受賞していたなら、それでも“デマ”として一笑に付しただろうか。

 東日本各地では10月になっても異常気象が相次いでいる。今日の気温(真夏日)だけではない。猛暑に逆行して7月から秋の草花が咲いていたかと思いきや、害虫被害の反動とはいえ、もう桜の花までが一輪、二輪と開花している。しかし自然界には科学で解き明かせない事象も数多く存在する。何らかの兆候でないことを願いたいものだが。

 《10月に咲いた桜》

イメージ 1

(強風で散ってしまったので昨年の写真で代用)

 《今朝の空》

イメージ 2

(AM7:20頃/北東から南西に棚引く帶雲)

 結果として後出しなら幸いだが、指向先は東海地方&北日本の太平洋側・・果て??