《前回記事↓》
https://blogs.yahoo.co.jp/rohitigu/36204414.html ・・・に続く。
このところ「東京五輪は暑すぎる」の話題で持ち切りである。TVニュースやワイドショーでは、時期変更論が渦巻き、外国人観光客へのインタビューに焦点をあてる。そして「この暑さの中での五輪開催はクレイジー」や「5月や10月に変更すべき」といった意見だけを取り上げて大騒ぎしている。
でもどこまで真相なのだろうか。メディアの常套手段として少数派しか取り上げない。大半が「これくらいの暑さは大丈夫さ」といったところで絶対に採用しない。結果として、オリンピックも知らない異端の発言だけが全体の意見である如くに拡散されてゆく。海外メディアの反応も、こうした喧騒を伝えているだけなのに、日本では「世界各国が東京の暑さを懸念している」になってしまう。
確かに東京の夏は暑い。今年はとくに暑い。季節には調整作用がある。今冬が数十年に一度の記録的寒波であったことすら忘れてしまっている。こうした中でも活躍を強いられるのはアスリートだけではない。東京都民の3分の1(約400万人)は炎天下であれ酷暑に耐えて懸命に働いているのだ。
外回りのサラリーマンはまだいい。目的地に辿り着けば一息つける。途中でサボる手もある。だが郵便の配達などではそうもいかない。運転業務でないだけに車内で涼を取ることも出来ない。建設や土木の作業現場は更に過酷だ。
2020年を前に都内だけでも延べ30万人近い作業員が動員されている。休憩は、昼休みのほか、午前と午後に日陰で取る僅かな時間だけだ。それ以外は灼熱の下に晒され続ける。しかも長ズボンに長袖、それにヘルメット着用だ。だからといって、「この暑さの中で現場作業なんてクレイジー」や、「春や秋にやるべきだ」とは誰も言ってくれない。
梅雨明けの7月から8月は天候が最も安定しやすい時期だ。長期に渡って晴天が続くことさえ珍しくない。台風でも来ない限りは突然の雷雨を除いて悪天候に苛まれることもない。昼間の時間も1年で最も長い。そう、建設作業の上では、最も生産性の上がる時期でもあるのだ。
オリンピックに参加するのは選手団だけではない。応援する国民や海外からやってくる観戦客でもない。こうした多数の裏方の努力があって始めて開催出来ることも忘れてはならない。
◇◆前回の記事と重複するが・・◇◆
改めてマスコミにお願いしたい。「夏の東京五輪は暑すぎる」と一方的に決めつける前に、どうか正確な報道をして欲しい。暑い季節に沿った競技会だから“夏期五輪”であること。過去のオリンピックも暑かった事実。暑いのが駄目なら熱帯に位置するAA諸国では開催出来なくなってしまう現実。加えて、こうした裏方の隠れた実態も伝えてもらいたいものだ。
◇◇◇◇◇◇
《余談》
(第18会東京オリンピック)
1964年の東京大会では、10月開催に「夏期五輪なのに秋に開催するのはおかしい」「これでは秋季五輪になってしまう」や、「寒くて水泳が可哀相」といった意見が続出した。
それが今、テレビや新聞報道をみると、2020年の東京大会は「暑すぎ」はともかく、「1964年の東京大会は暑さを考慮して10月開催になった」と嘘八百を並べ立て国民の不安感情を煽っている。1964年の10月開催は、あくまでアジア初開催に対する各競技団体の調整の結果であり、IOCの都合だった。
せめてオリンピックぐらいはマスコミも評論家も真相だけを語ってもらえないだろうか。
https://blogs.yahoo.co.jp/rohitigu/36204414.html ・・・に続く。
このところ「東京五輪は暑すぎる」の話題で持ち切りである。TVニュースやワイドショーでは、時期変更論が渦巻き、外国人観光客へのインタビューに焦点をあてる。そして「この暑さの中での五輪開催はクレイジー」や「5月や10月に変更すべき」といった意見だけを取り上げて大騒ぎしている。
でもどこまで真相なのだろうか。メディアの常套手段として少数派しか取り上げない。大半が「これくらいの暑さは大丈夫さ」といったところで絶対に採用しない。結果として、オリンピックも知らない異端の発言だけが全体の意見である如くに拡散されてゆく。海外メディアの反応も、こうした喧騒を伝えているだけなのに、日本では「世界各国が東京の暑さを懸念している」になってしまう。
確かに東京の夏は暑い。今年はとくに暑い。季節には調整作用がある。今冬が数十年に一度の記録的寒波であったことすら忘れてしまっている。こうした中でも活躍を強いられるのはアスリートだけではない。東京都民の3分の1(約400万人)は炎天下であれ酷暑に耐えて懸命に働いているのだ。
外回りのサラリーマンはまだいい。目的地に辿り着けば一息つける。途中でサボる手もある。だが郵便の配達などではそうもいかない。運転業務でないだけに車内で涼を取ることも出来ない。建設や土木の作業現場は更に過酷だ。
2020年を前に都内だけでも延べ30万人近い作業員が動員されている。休憩は、昼休みのほか、午前と午後に日陰で取る僅かな時間だけだ。それ以外は灼熱の下に晒され続ける。しかも長ズボンに長袖、それにヘルメット着用だ。だからといって、「この暑さの中で現場作業なんてクレイジー」や、「春や秋にやるべきだ」とは誰も言ってくれない。
梅雨明けの7月から8月は天候が最も安定しやすい時期だ。長期に渡って晴天が続くことさえ珍しくない。台風でも来ない限りは突然の雷雨を除いて悪天候に苛まれることもない。昼間の時間も1年で最も長い。そう、建設作業の上では、最も生産性の上がる時期でもあるのだ。
オリンピックに参加するのは選手団だけではない。応援する国民や海外からやってくる観戦客でもない。こうした多数の裏方の努力があって始めて開催出来ることも忘れてはならない。
◇◆前回の記事と重複するが・・◇◆
改めてマスコミにお願いしたい。「夏の東京五輪は暑すぎる」と一方的に決めつける前に、どうか正確な報道をして欲しい。暑い季節に沿った競技会だから“夏期五輪”であること。過去のオリンピックも暑かった事実。暑いのが駄目なら熱帯に位置するAA諸国では開催出来なくなってしまう現実。加えて、こうした裏方の隠れた実態も伝えてもらいたいものだ。
◇◇◇◇◇◇
《余談》
(第18会東京オリンピック)
1964年の東京大会では、10月開催に「夏期五輪なのに秋に開催するのはおかしい」「これでは秋季五輪になってしまう」や、「寒くて水泳が可哀相」といった意見が続出した。
それが今、テレビや新聞報道をみると、2020年の東京大会は「暑すぎ」はともかく、「1964年の東京大会は暑さを考慮して10月開催になった」と嘘八百を並べ立て国民の不安感情を煽っている。1964年の10月開催は、あくまでアジア初開催に対する各競技団体の調整の結果であり、IOCの都合だった。
せめてオリンピックぐらいはマスコミも評論家も真相だけを語ってもらえないだろうか。