梅雨明け以降、日本列島は異様な熱波に覆われている。18日に岐阜県多治見市で40℃を超えるや、19日には京都で39.8℃、20日には兵庫県豊岡市で38.9℃と、連日の異常高温下にある。最早、猛暑ではない。酷暑が常態化しそうな雲行きでもある。
こうした中、急増するのが熱中症だ。連日のように救急車のサイレン音を耳にする。これも相当数は熱中症ではなかろうか。患者は単身高齢者に多く、それも室内での発症が大半と聞くから恐ろしい。高齢化社会の宿命とはいえ、この先はどうなってゆくのだろうか。
我が国の高齢者(65才以上)人口は(2017年9月15日現在)3514万人だが、子供との同居率をみると、昭和55(1980)年の約70%から、平成27(2015)年には39.0%と、子供と同居する割合は大幅に減少している。単独世帯又は夫婦のみの者については、昭和55(1980)年には合わせて3割弱であったものが、平成27(2015)年には56.9%まで増加している。
一方、65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著であり、昭和55(1980)年には男性約19万人、女性約69万人、高齢者人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、平成27(2015)年には男性約192万人、女性約400万人、高齢者人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっている。
これだけではない。今の日本は更に深刻な問題を抱える。生涯未婚率の増加だ。2015年の国勢調査によると、50才まで一度も結婚をしていない割合を示す生涯未婚率は、男性で23.37%、女性で14.06%に達した。
上のグラフをご覧いただきたい。2020年以降の改善を前提にしてさえ、2035年には男性の3割が、女性の2割が生涯の独身を見越している。現実に改善する要素は何もない。ならば、5年で4%の上昇率から、2035年には2人に1人が生涯を独り身で通す時代になるのだ。
日本では今、財源難と人材不足から、医療も介護も「在宅で」を推し進める。でも単身者に家族はいない。手術入院や施設への入所では身元保証人を求められる。保証人に成り得る親族や身寄りもいなければ、余程の大金持ちでない限り、病気治療のみならず介護さえ受けられない。慈善団体のキャパにも限界がある以上、大半は見捨てられてしまうだろう。
最期は孤独に苛まれて人生を終える。荼毘に付されることもない。あと10年も経たずして火葬場は2ヶ月待ちが日常化する。それも身元引き受け人がいての話だ。如何に互助会に入っていようとも身寄りのない者は後回しにされてしまうだろう。そう、墓じまいが話題になるが、無縁仏にさえなれないのだ。
少子高齢化を助長する、もうひとつの懸念材料。出生率の低下に加えて生涯独身層の急拡大。これでは人口の下げ止まりどころではない。対象者の喪失は予測を大きく上回る人口の急減さえ覚悟せねばならない。出産世代の半減は出生数の半減をも意味する。非正規の拡大が貧困層を生み、機を逸した(労力の)市場解放が国力を衰退させるなら、この付けは限りなく大きい。
◇◇◇◇◇◇◇
因みに、昨日(7月20日)公表された厚労省の調査によると、2017年の日本人の平均寿命は、男性81.09才、女性は87.26才と過去最高を更新。前年からは男性で0.11才、女性では0.13才延びた。国際比較では、男性は香港に次ぐ2位、女性は香港、スイスに次ぐ3位だった。
一方、平均余命をみると、75歳まで生きる人の割合は男性75.3%、女性88.1%で、90歳まで生きる人の割合は男性25.8%、女性50.2%と、こちらも過去最高である。これを目出度いとみるか、大変な世の中になったとみるか、どちらだろう。もし、ここでも“お一人様世代”が大半を占めるなら、この国の行く末はどうなってしまうのだろうか。
こうした中、急増するのが熱中症だ。連日のように救急車のサイレン音を耳にする。これも相当数は熱中症ではなかろうか。患者は単身高齢者に多く、それも室内での発症が大半と聞くから恐ろしい。高齢化社会の宿命とはいえ、この先はどうなってゆくのだろうか。
我が国の高齢者(65才以上)人口は(2017年9月15日現在)3514万人だが、子供との同居率をみると、昭和55(1980)年の約70%から、平成27(2015)年には39.0%と、子供と同居する割合は大幅に減少している。単独世帯又は夫婦のみの者については、昭和55(1980)年には合わせて3割弱であったものが、平成27(2015)年には56.9%まで増加している。
一方、65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著であり、昭和55(1980)年には男性約19万人、女性約69万人、高齢者人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、平成27(2015)年には男性約192万人、女性約400万人、高齢者人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっている。
これだけではない。今の日本は更に深刻な問題を抱える。生涯未婚率の増加だ。2015年の国勢調査によると、50才まで一度も結婚をしていない割合を示す生涯未婚率は、男性で23.37%、女性で14.06%に達した。
上のグラフをご覧いただきたい。2020年以降の改善を前提にしてさえ、2035年には男性の3割が、女性の2割が生涯の独身を見越している。現実に改善する要素は何もない。ならば、5年で4%の上昇率から、2035年には2人に1人が生涯を独り身で通す時代になるのだ。
日本では今、財源難と人材不足から、医療も介護も「在宅で」を推し進める。でも単身者に家族はいない。手術入院や施設への入所では身元保証人を求められる。保証人に成り得る親族や身寄りもいなければ、余程の大金持ちでない限り、病気治療のみならず介護さえ受けられない。慈善団体のキャパにも限界がある以上、大半は見捨てられてしまうだろう。
最期は孤独に苛まれて人生を終える。荼毘に付されることもない。あと10年も経たずして火葬場は2ヶ月待ちが日常化する。それも身元引き受け人がいての話だ。如何に互助会に入っていようとも身寄りのない者は後回しにされてしまうだろう。そう、墓じまいが話題になるが、無縁仏にさえなれないのだ。
少子高齢化を助長する、もうひとつの懸念材料。出生率の低下に加えて生涯独身層の急拡大。これでは人口の下げ止まりどころではない。対象者の喪失は予測を大きく上回る人口の急減さえ覚悟せねばならない。出産世代の半減は出生数の半減をも意味する。非正規の拡大が貧困層を生み、機を逸した(労力の)市場解放が国力を衰退させるなら、この付けは限りなく大きい。
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因みに、昨日(7月20日)公表された厚労省の調査によると、2017年の日本人の平均寿命は、男性81.09才、女性は87.26才と過去最高を更新。前年からは男性で0.11才、女性では0.13才延びた。国際比較では、男性は香港に次ぐ2位、女性は香港、スイスに次ぐ3位だった。
一方、平均余命をみると、75歳まで生きる人の割合は男性75.3%、女性88.1%で、90歳まで生きる人の割合は男性25.8%、女性50.2%と、こちらも過去最高である。これを目出度いとみるか、大変な世の中になったとみるか、どちらだろう。もし、ここでも“お一人様世代”が大半を占めるなら、この国の行く末はどうなってしまうのだろうか。