サッカーW杯はベルギーに惨敗し、惜しくもベスト8を逃した。予想外の健闘に、これでJリーグも盛り上がると思いきや、そうとも言えない。ファン層が全く違う。あくまでW杯は“にわかファン”なのだ。Jリーグ自体、本来は土日開催だが、W杯期間中の日程穴埋めのために平日開催を余儀なくされる。結果としてW杯開催の年には、盛り上がりや成績に関わらず集客を落とし、経営の悪化を招いている。

 一方、野球はどうだろう。こちらもあまり変わらない。WBCの優勝でさえ集客には結び付かない。それ以上に(WBCに参加した主力に)故障続出で成績は振るわず、観客動員数を減らしているのが実状のようだ。

 その野球、2020年の東京五輪では、ソフトボールと併せて5種目の追加競技の一つに決定している。ことに野球・ソフトボールの復活は悲願であり、東京大会の目玉として期待しているようだが、どうも腑に落ちない。

 言うまでもなく野球はメジャースポーツではない。競技人口も少ない。普及国は、日米の他、中南米、アジア極東など僅かな国や地域に限られている。欧州も強化著しいとはいえ、A.ジョーンズやバレンティンでお馴染みのオランダ領・キュラソー島といったカリブ諸国に支えられており、豪州とて競技人口は数千人に過ぎない。

 今回の復活にはかなりの反対があったという。何せ、ルールの分かりにくい競技の筆頭格であるだけに、なかなか理解されない。時間短縮を求めて7イニング制や2アウトでの交替まで求てきた。そこで、スケートボードといった若者向けの人気種目を加えることで決着を計ったそうだが、この代償は大きかった。

 参加総数の増員は全競技で500人以下と決められている。競技数が増えれば各種目共に削らねばならない。結果として出場枠は、1チーム24人で、6カ国になった。問題は配分にある。そもそも五輪は参加することに意義がある。出場国は五大陸に割り振らねばならない。すると、開催国の日本は別として、あと残りは5カ国である。

 もし、この通りなら、アジアでは韓国も台湾も大陸間での勝ち抜き形式にしない限りは出られない。出場国は、北米、中南米、欧州、アフリカ、オセアニア地区の各代表となる。しかも、大リーグはシーズン真っ直中であり、参加を認めるかどうか。マイナーもしくは、其々の国内リーグからの選抜になる可能性が高い。

 ならば日本に有利かといえば、そうでもない。決勝トーナメントに入ったサッカーW杯でさえランキング下位の国が上位に勝つといった番狂わせが相次いでいる。

 野球でも同じだろう。メジャーの不参加で、外国勢に厳しく、日本には有利かと思いきや、そうとも限らない。多分、2年後には菊池雄星や千賀滉大といった主力も大リーグ転出で日本にはいまい。大リーグ球団が出場を認めるかどうかも分からない。しかし日本には興隆したプロ野球があり、力はあまり変わらないとしても、これがなかなか難しい。

 2008年の北京五輪は、そうそうたるメンバーで参戦した。ダルビッシュ、田中、上原、涌井、藤川、川上、岩瀬などの投手陣のみならず、阿部、新井、青木、稲葉、村田、中島といった野手陣も文字通り日本代表だった。それでも、この大会は韓国、キューバ、アメリカに次いで4位に終わりメダルを逃した。

 でも大丈夫。参加国は少ない。ランク順に出場させる可能性もあるが、大陸別であっても変わらない。草野球を含め野球人口800万人の大国が、100人にも満たない国に敗れたにせよ、出場枠は6カ国しかない。そう、出場を辞退しない限り、6位入賞は既に確定しているのだ。

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 《余談》今年は猛暑??

 6月下旬から異例の暑さに覆われた日本列島。こうしたことからも気象庁や気象サービス各社は「今年は猛暑」を予想する。でも本当だろうか。過去を遡っても、6月、7月、8月と3ヶ月に渡って暑かった(猛暑)年などあるのだろうか。

 (以下は東京における平均気温)

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(理科年表の写しにつき不鮮明であることをお詫びします)

 6月が最も暑かったのは1979年の24.4℃だが、7月は25.2℃、8月は27.4℃とあまり上がっていない。

 7月では2004年の28.5℃が最高だが、6月は23.7℃で、8月になるや逆に27.2℃まで下がってしまった。

 8月は29.4℃を記録した1995年だが、6月は20.4℃と低く、7月でも26.4℃と決して高温(猛暑)ではない。

 あくまで1971年以降とはいえ、6月が暑いから、7月が暑いからといって猛暑になっいないことにお気付きだろうか。気象関係者は太平洋高気圧とチベット高気圧の相乗効果を懸念するが、これとて珍しいこではなく、その都度「今年は猛暑」といっては予想を大きく外している。3ヶ月にも渡って平均気温が5度も6度も高いなんて有り得ないということだ。

 今夏の気温は乱高下が予想される。6月下旬からの異常高温には必ずどこかで調整作用が働く。でないと、7月から8月にかけての最高気温は平均でも35℃に達してしまう。如何に温暖化とはいえ、これだけは絶対にない。

 『突然の低温(冷夏)に風邪など引きませんように・・』