古来より日本は世界に名だたるリサイクル先進国であった。古物は再利用する。人糞であれ貴重な肥料である。穀物や野菜の生育には欠かせない。町中は近郊から買い出しに来る百姓や引き取り業者で溢れた。長屋の大家などは、たな賃(家賃)並みの収入だったというから驚く。
こうした流れは戦後でも変わらない。昭和30年代の映画を観ると、早朝のシーンには必ず、竹かごを背負って歩く古物商が登場する。買い求めている様子はない。狭い砂利道の隅々まで目を配り、釘一本、紙切れ一枚に至るまで、きれいに拾い集めている。だから路上にはゴミひとつない。売却して生活の足しにするのだろう。貧困の裏返しとはいえ恐らくの津々浦々の清潔さは今以上だったのではなかろうか。
これらも昭和30年代後半からの高度成長で一変する。大量消費、大量廃棄の時代だ。使い捨て文化によって支えられた旺盛な消費と経済活動。環境保全を目的に、昭和40年から50年代にかけて叫ばれた、バイコロジ運動ーやリサイクル活動も一向に盛り上がらない。新たに加わった賞味期限“戦略”が廃棄物を激増させる。行く先々、ゴミ、ゴミ、ゴミで溢れた。
山林には家電や家具といった耐久消費財が次々と不法投棄された。道路沿いには空き缶やペットボトルが所狭しと投げ捨てられていた。最も深刻なのは有害物質であろう。残渣物はなかなか中和しない。「魚が浮いた」は日常茶飯事だった。これらも本を正せば大企業からのものばかりだ。規制強化を目的としたマニフェストによる管理も、どこまで効果はあったのやら。
そして今、やっと理想のリサイクル社会に近付いたように見える。でも実態はどうだろうか。分別も本当に再利用されているのだろうか。かつては分別も見せ掛けだけで、相場によっては、一緒くたに焼却処分されていた。
リサイクルとはいえ既存の業態との競合でもある。鉱物資源や原材料は採掘(輸入含む)して加工される。こうした分野だけでも約480万人が従事する。リサイクルでの雇用創出は、既存の工程に、それ以上の失業者を生みかねない。同一事業の範疇ならいざ知らず、リサイクル事業は、こうした市場をも奪ってしまうのだ。
《リサイクル原材料の流れ》
「リサイクルのために分別にご協力下さい」も掛け声ばかりで内実は厄介払も多い。正規の原材料優先で国内ではあまり利用されない。その大半が海外に持ち出される時代が長く続いた。
◇◇◇◇◇
せっかくの分別も、いつの間にか持ち去られて資源置き場から消える毎日。法的措置も、様々な見解から、履行はなかなか難しい。行き先は中国か北朝鮮(今はないようだが)か。これとて大きな問題にならないことからも、リサイクル原料の喪失は、ある意味、産業界(一部の企業)にとって望むところなのかも知れない。
《おまけ》
◇◇ウサギとカメ、んん?? じゃなくで、カメとブタになっちょるぞ。でも、どちらも“鈍足”と“豚足”じゃから、まっええか!!
でも、なんでまた新聞紙なんじゃ!?
こうした流れは戦後でも変わらない。昭和30年代の映画を観ると、早朝のシーンには必ず、竹かごを背負って歩く古物商が登場する。買い求めている様子はない。狭い砂利道の隅々まで目を配り、釘一本、紙切れ一枚に至るまで、きれいに拾い集めている。だから路上にはゴミひとつない。売却して生活の足しにするのだろう。貧困の裏返しとはいえ恐らくの津々浦々の清潔さは今以上だったのではなかろうか。
これらも昭和30年代後半からの高度成長で一変する。大量消費、大量廃棄の時代だ。使い捨て文化によって支えられた旺盛な消費と経済活動。環境保全を目的に、昭和40年から50年代にかけて叫ばれた、バイコロジ運動ーやリサイクル活動も一向に盛り上がらない。新たに加わった賞味期限“戦略”が廃棄物を激増させる。行く先々、ゴミ、ゴミ、ゴミで溢れた。
山林には家電や家具といった耐久消費財が次々と不法投棄された。道路沿いには空き缶やペットボトルが所狭しと投げ捨てられていた。最も深刻なのは有害物質であろう。残渣物はなかなか中和しない。「魚が浮いた」は日常茶飯事だった。これらも本を正せば大企業からのものばかりだ。規制強化を目的としたマニフェストによる管理も、どこまで効果はあったのやら。
そして今、やっと理想のリサイクル社会に近付いたように見える。でも実態はどうだろうか。分別も本当に再利用されているのだろうか。かつては分別も見せ掛けだけで、相場によっては、一緒くたに焼却処分されていた。
リサイクルとはいえ既存の業態との競合でもある。鉱物資源や原材料は採掘(輸入含む)して加工される。こうした分野だけでも約480万人が従事する。リサイクルでの雇用創出は、既存の工程に、それ以上の失業者を生みかねない。同一事業の範疇ならいざ知らず、リサイクル事業は、こうした市場をも奪ってしまうのだ。
《リサイクル原材料の流れ》

「リサイクルのために分別にご協力下さい」も掛け声ばかりで内実は厄介払も多い。正規の原材料優先で国内ではあまり利用されない。その大半が海外に持ち出される時代が長く続いた。
◇◇◇◇◇
せっかくの分別も、いつの間にか持ち去られて資源置き場から消える毎日。法的措置も、様々な見解から、履行はなかなか難しい。行き先は中国か北朝鮮(今はないようだが)か。これとて大きな問題にならないことからも、リサイクル原料の喪失は、ある意味、産業界(一部の企業)にとって望むところなのかも知れない。
《おまけ》

◇◇ウサギとカメ、んん?? じゃなくで、カメとブタになっちょるぞ。でも、どちらも“鈍足”と“豚足”じゃから、まっええか!!
でも、なんでまた新聞紙なんじゃ!?