相変わらず茨城県の認知度は低い。この10日、今年も(2017年版)都道府県の魅力度ランキングが発表されたが、5年連続の最下位である。県外在住では場所を指し示せない者までいる。呼び名も大阪府の茨木市に屈し、あくまで「いばらぎ」でしかない。民力では全ての数値で上位にランクインする実力県であるのに、どうしてここまで低いのだろうか。

理由は多々あれど、やはり(県名の)露出度の低さではないか。なにせ「いばらき」が出てこない。代表する黄門様は「水戸」であり、日本3大名園に数えられる名所も“水戸”偕楽園で、茨城の冠がない。名産の納豆だって“水戸”を売りにする。筑波山の麓に位置して科学技術を牽引する研究学園都市は“つくば”で、臨海工業地帯は“鹿嶋”だ。茨城県発祥の世界的企業まで、IBARAKIではなく、HITACHI(日立製作所)を社名としている。四季折々の花で人気沸騰の国立海浜公園までが“ひたち”なのだ。

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《〇〇黄門様も〇〇納豆も「いばらき」であって水戸ではない》

あまり知られていないが茨城県は日本を代表するスポーツ王国でもある。夏季五輪の金メダリスト7人は全国で2番目に多い。人口比では突出している。だからスポーツも盛んだ。サッカーにはJリーグ屈指の人気を誇るアントラーズがあり、J2にはホーリーホックもある。だが、いかんせん県名が入らない。頭文字は“鹿嶋”であり“水戸”でしかない。高校野球も盛んだが、県名の入った学校の甲子園組は茨城東高校だけ(水戸商の前身は除く)でしばらく出ていない。これでは「茨城って大阪やんけ」と言われても仕方ない。

魅力度アップには、先ず知名度を上げねばならない。水戸県にするのも手だが、そうもいくまい。ならば県都の名称を変えてみてはどうか。県庁所在地を移せ、というのではない。水戸の二文字は十分にブランド化している。水戸市そのものを改名したところで何ら影響はあるまい。それなら『いばらき市』なんて如何だろうか。政令指定都市にして『いばらき市・水戸区』に生まれ変わるということだ。

茨城県の人口は、2.916.976人(2015年10月1日現在)と全国で11番目に多い。300万人近い人口を抱えて政令指定都市を有しない自治体は茨城県を於いて他にない。有識者は水戸市の人口(270.783人)からして否定的だが、そんなことはない。市町村の数が多すぎるだけだ。

水戸市周辺には、ひたちなか市(155.689人)、茨城町(32.921人)、東海村(37.713人)といった市町村が衛星都市を形成し、人口集積率は極めて高い。しかも水戸市の面積217.32平方キロは地方中核都市の中でもかなり狭い。静岡市や浜松市と面積を同じくするなら、日立市や笠間市をも含み、すぐにも100万都市の誕生を確約している。

茨城県は知らない。だが政令指定都市なら知らない者はいない。茨城県出身者に故郷を問えば、多くは水戸や日立、土浦と答える。近頃では、つくばや鹿嶋も増えた。やはり、知名度の低さがネックなのか恥ずかしいのか、「いばらき」と答える割合は至って少ない。朝ドラの“奥茨城”効果も限定的だったということか。

余談だが、かつて愚生も奥茨城? に住んでいた。関西では、この「茨城」も、なかなか通じない。「自分、いばらき(大阪府.茨木市)ってほんまかいな?」「話し方がまるでちゃうで」と笑いのネタにされてしまう。県内でもローカルな笠間の方が通じるから不思議だった。

埼玉県では政令指定都市への移行過程で県都の名称を変えた。浦和市は「さいたま市・浦和区」になった。そして、埼玉西武ライオンズに加えて、埼玉スタジアム、さいたまスーパーアリーナといった大型施設を次々と誕生させ、頭文字に“さいたま”を溢れさせた。結果、県名の認知度向上に改名が大きく貢献する。もう魅力(認知)度で最下位を争った面影はない。ダ埼玉は彩の国へと変貌した。

やはり認知させ、魅力度を向上させるには、県都改名に勝るものはあるまい。これは茨城のみならず栃木や群馬にも同じことが言えよう。いずれの県庁所在地も水戸、宇都宮、前橋と県名が入らない。でも、最下位を勲章に売りとするなら、大きなお世話といったところか。

因みに、埼玉県の魅力は、その後また急降下。2017年版では定位置の下から4番目(44位)に戻ってしまったとか‥。

「うーん、やっぱし、、。埼玉県には茨城県みでーに名所ながっぺ。スタジアムだげじゃ浮上でぎっこあんめな」

「ん???」