伊豆(島嶼部含む)地方が静かだ。静か過ぎるといった方が適切かも知れない。日本列島屈指の多発地帯に有感地震が途絶えて久しい。無感はともかく、域内を震源とする有感地震は、ここしばらく発生していない。安泰の証か、嵐の前の静けさなのか、気になるところだ。
伊豆半島と、その周辺には危険な活断層が数多く存在する。富士川河口断層帯、塩沢断層帯、平山―松田断層帯、北伊豆断層帯、国府津―松田断層帯といったところだが、内閣府の地震調査委員会の報告によると、富士川河口断層帯の30年以内の発生確率は10~18%と高く、しかもM8.0クラスの巨大地震が想定されている。
国府津―松田断層帯は相模トラフと連動する可能性が懸念される。北伊豆断層帯(想定規模はM7.3)の場合は30年以内の発生確率をほぽ0%と予測するが、想定外だった阪神淡路大震災の例もあり、あまり信頼できない。静けさが続く限り差し迫っていると考えた方が良さそうだ。
静かなのは伊豆地方だけではない。富士火山帯も同じだ。昨年来、箱根山を始めとして一斉に動き出したものの、このところ穏やかさを極める。こちらも伊豆地方同様、安泰の証か、嵐の前の静けさか、それとも大地震や巨大噴火の前触れなのか、奇っ怪この上ない状況下にある。
富士山の噴火は1707年まで遡る。当時の噴火に至るまでの過程を追ってみよう。
☆―地震
★―噴火
☆1703年、元禄地震、M8.3
関東南部で津波被害多数。鸚鵡籠中記では犠牲者20万人説もある。
☆1703年、豊後(九州・大分)で地震、M6.5
元禄地震と“同時”に発生。府内領で被害大。
☆1704年、羽後・陸奥で地震、M7.0
能代市(秋田県)で被害大。12湖誕生。
☆1705年、阿蘇山付近で地震、M不明
阿蘇坊で破損多数
☆1707年、宝永地震、M8.4~8.6
南海トラフ型地震。関東から九州一帯が大津波に襲われ被害甚大
★1707年、富士山噴火(宝永大噴火)
宝永地震の49日後、延暦(800~802年)、貞観(864~866年)と並んで三大噴火とされる大噴火を起こす。
この内、元禄地震は東日本大震災に相当する。その後、九州から東北地方に強い地震を発生させつつ、宝永地震や宝永の大噴火に至ったことが分かる。しかも今、九州の山々では火山噴火の危機が絶えない。状況は似てないだろうか。
南海トラフ型の巨大地震である宝永地震は元禄地震の4年後に発生した。同時に富士山も大噴火を起こした。東日本大震災から5年だが、まだ5年でもある。いわば危機の真っ直中にあるともいえる。ともあれ、静寂に包まれた南関東の西部から伊豆地方、そして富士火山帯の動向には十分に注意を払わねばなるまい。
伊豆半島と、その周辺には危険な活断層が数多く存在する。富士川河口断層帯、塩沢断層帯、平山―松田断層帯、北伊豆断層帯、国府津―松田断層帯といったところだが、内閣府の地震調査委員会の報告によると、富士川河口断層帯の30年以内の発生確率は10~18%と高く、しかもM8.0クラスの巨大地震が想定されている。
国府津―松田断層帯は相模トラフと連動する可能性が懸念される。北伊豆断層帯(想定規模はM7.3)の場合は30年以内の発生確率をほぽ0%と予測するが、想定外だった阪神淡路大震災の例もあり、あまり信頼できない。静けさが続く限り差し迫っていると考えた方が良さそうだ。
静かなのは伊豆地方だけではない。富士火山帯も同じだ。昨年来、箱根山を始めとして一斉に動き出したものの、このところ穏やかさを極める。こちらも伊豆地方同様、安泰の証か、嵐の前の静けさか、それとも大地震や巨大噴火の前触れなのか、奇っ怪この上ない状況下にある。
富士山の噴火は1707年まで遡る。当時の噴火に至るまでの過程を追ってみよう。
☆―地震
★―噴火
☆1703年、元禄地震、M8.3
関東南部で津波被害多数。鸚鵡籠中記では犠牲者20万人説もある。
☆1703年、豊後(九州・大分)で地震、M6.5
元禄地震と“同時”に発生。府内領で被害大。
☆1704年、羽後・陸奥で地震、M7.0
能代市(秋田県)で被害大。12湖誕生。
☆1705年、阿蘇山付近で地震、M不明
阿蘇坊で破損多数
☆1707年、宝永地震、M8.4~8.6
南海トラフ型地震。関東から九州一帯が大津波に襲われ被害甚大
★1707年、富士山噴火(宝永大噴火)
宝永地震の49日後、延暦(800~802年)、貞観(864~866年)と並んで三大噴火とされる大噴火を起こす。
この内、元禄地震は東日本大震災に相当する。その後、九州から東北地方に強い地震を発生させつつ、宝永地震や宝永の大噴火に至ったことが分かる。しかも今、九州の山々では火山噴火の危機が絶えない。状況は似てないだろうか。
南海トラフ型の巨大地震である宝永地震は元禄地震の4年後に発生した。同時に富士山も大噴火を起こした。東日本大震災から5年だが、まだ5年でもある。いわば危機の真っ直中にあるともいえる。ともあれ、静寂に包まれた南関東の西部から伊豆地方、そして富士火山帯の動向には十分に注意を払わねばなるまい。