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7月の北関東はやや冷夏。一転しての猛暑到来も、お盆休みに入るや早くも息切れ気味で、今朝の気温は22度を下回り例年になく涼しい。
天候の変動は、それだけ地震が増える兆候でもある。季節の移り目に多い『風雨のち晴れ=地震』には、くれぐれも注意していただきたい。

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盛夏の8月には大地震が少ない。歴史的にも大きな地震ほど秋から春に集中していて夏場には極めて少ないことが分かる。この50年間に発生したM6超の地震だけを列記してみよう。

1969年08月12日、色丹島沖、M7.8
1971年08月02日、十勝沖、M7.0
1983年08月08日、山梨県東部、M6.0
1984年08月07日、日向灘、M7.1
1998年08月20日、小笠原西方、M7.0
*深発467km
2000年08月06日、小笠原西方、M7.2
*深発445km
2005年08月16日、宮城県沖、M7.1
2009年08月09日、東海道南方沖、M7.1
2009年08月11日、駿河湾、M6.5

あくまで半世紀だが総じて少ない。内陸型は1983年の山梨県東部だけであり、その他は全て海側での発生である。即ち、直下ではないので深刻な被害だけは免れている。では、どうして盛夏に大地震は少ないのだろうか。

理由は気象条件に起因するのではなかろうか。夏、ことに8月は天候が安定する。梅雨も明けて好天が続きやすい。台風の接近でもない限り大きく崩れることもない。寒気の南下で雷雨はあっても局所的なものだ。四季を通じて安定期には地震の減少傾向がみられることからも整合性は否定出来まい。

過去の大地震は不思議と荒天後に多い。強い雨や風が止み、「何事もないだろう」と思える穏やかな日和を狙い打ちしている。関東大震災は1923年の9月1日だが、これも同じだ。九州に上陸した台風が新潟沖を通過し、雷雲を伴う強い風雨が収まった頃合いであった。

この年は6月2日に茨城県沖で、7月13日には九州南東沖で、其々M7の強い地震があった。それが8月に入るや幾分静かになった。天候も安定した。それも月末の台風通過で一変する。安定した夏空は一転、強い南風と、不気味な積乱雲に覆われる異様な空模様に変わった。

今年はどうだろう。ラニーニャで猛暑と言われながらラニーニャ現象は発生していない。暑いとはいえ2010年と比較すれば西日本を除いてまだ低い。南海上には台風の卵が多数あり、この先、発達して日本列島にも接近しそうだ。

2010年は太陽の黒点数が記録的に少なく、エルニーニョ現象が起きていたこともあり、気象庁は「冷夏予報」を発令していた。結果はいうまでもない。予測は見事に外れた。全国各地で記録的高温を観測して史上最も暑い夏となった。そして翌年3月には東日本大震災が発生する。

ある意味、今夏も似ている。前述通り、ラニーニャ説は覆され、夏本来の太平洋高気圧の張り出しもない。それ故、秋台風が次々と接近、上陸しそうな状況にもある。明治以前は不明ならが、これも過去の大地震期と同じではないか。

大地震は8月に起きにくいとはいえ安心は出来ない。この前提には天候の安定がある。だが今夏は少し違う。低気圧(台風)が相次いで接近しそうだ。しかも直ちに影響が及ぶとは限らない。2010年の夏がそうであったように‥。