今日、14時21分、北海道の内浦湾を震源とする地震があり、函館市の一部で震度6弱を観測した。深さや地形が影響したのだろうか。M5.3の規模にしては揺れが大きい。ともあれ被害の少ないことを願いたい。

熊本地震で甚大な被害を出してから2ヶ月が経過する。この地震の前、九州地方は至って静かだった。3月20日以降、「桜の季節に大地震はない」と度々記したように、桜の開花時期は静けさが際立っていた。そして桜の花が散るや否や大地震に見舞われて現在に至っている。

その後、桜前線の北上に伴い静けさも西日本から東日本に移行し、同様に有感地震さえ途絶えていた関東や東北地方が、5月下旬からは新緑の季節を迎えた道東でも揺れ始めた。

偶然といえばそれまでだが、歴史的に遡ってもM7を超えるような大地震は、この期間に限って起きていない。遠方の巨大地震による余波はあるにせよ、震源域で桜が咲き誇っていた形跡は、どの時代にも全く見当たらないのだ。

またこれも再三記しているが、大きな地震ほど一定の距離を伝播する。勿論、前震、本震といった連続性はあるものの、必ず“ここは地震が少ない”といった地域が襲われる傾向にある。

1994年末には北海道から東北地方に大地震が相次いでいた。誰もが、北日本が危ない、と思っていた矢先、兵庫県南部を阪神淡路大震災が襲った。2010年は、沖縄近海、小笠原西方、父島近海に大地震が続いた。“西日本は要注意”の話題がマスコミを賑わす最中にあって、翌2011年、東日本大震災が発生している。

今後は“北海道が危ない”の論評が増えるだろう。無論、否定はしないが、これだけは忘れてはならない。今、静寂な地域はどこだろうか。誰でも、地震に疎遠になるほど、ここだけは安全、と誤認してしまう。そう、いつの世も、大きな地震ほど虚を衝いて襲ってくる。