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iRONNA(産経)より、図書館にて撮影

冒頭の記事通り、九州の火山で破局噴火なら、日本で一億人が犠牲になるとする説がある。神戸大学の研究グループによる発表だが、この説が出されるや各方面を震撼させた。

何せ、従来の噴火に“破局”の概念はない。しかも“一億人以上”は日本全滅を意味する。これまでが穏やか過ぎたのか、或いは幸運にも危機を回避しただけかは不明ながら、万一なら、全てが終わることだけは確かなようだ。

以前にも書いているので詳細は省くが、トカラ列島の破局噴火では西日本の縄文文化を埋没させた。降灰は日本全土に及んだ。恐らく東日本でも壊滅的な被害だったのではないか。

破局噴火の確率は今後100年で1%と予測する。これなら無難に等しい数値かも知れない。だが本当に安全だろうか。阪神淡路大震災は0.02から8%の確率の中で発生した。東日本大震災の場合だって然りだ。熊本の地震は8%だった。

一億人以上なら、それは北海道までの被災を意味する。日本列島は南北に長い。九州から北海道は約2000kmである。この距離に及ぶなら影響は日本一国だけでは済まされまい。

地図を確認して頂きたい。九州から半径2000kmなら朝鮮半島全域が、中国も極東主要都市の大半が含まれてしまう。

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ここには日本、韓国、北朝鮮で約1億8千万人が、中国極東と台湾には約4億2千万人と、合わせて約6億人が居住している。偏西風もあり全域に及ぶ可能性は低いとはいえ、最悪6億の人命に関わる深刻な事態でもあるのだ。

しかも、これだけでは終わらない。火山灰は成層圏に達して地球全体を覆い尽くす。歴史上の革命や戦乱の多くは火山噴火による飢饉に起因したとも言われる。だが破局噴火は、その比ではない。有史以前であり記録すらない。あるのは、発掘から解き明かされる、有史以前が滅亡した事実だけだ。

奇しくも安蘇山では、GPS測定の結果、30cmの沈み込みが確認され、この方向に対してそれぞれ東西に1mから60cmの横ずれが生じていることが判明した。もしや、中央構造線断層帯のみならず、フィリピン海プレートからの圧力が一段と高まっているのではなかろうか。

恐竜絶滅は小惑星の衝突が有力視される。だが火山説も根強く残る。真実は誰もか知らない。日本列島では7千年から1万年に一度の頻度で破局噴火が起きているにも関わらず、既に7300年が経過する。熊本地震は“よもや”の中を襲った。ならば、次の“よもや”が破局噴火でないことを祈るしかない。