写真につき不鮮明な図表で恐縮ながら、内閣府の地震調査委員会による試算では、都道府県庁所在地などで30年以内に震度6以上の揺れに襲われる確率は次の通りだった。

☆先ず今回の熊本地震に関して‥。
(30年以内の確率)

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(3)‥の日奈久断層だが、ここには2区間が存在し、日奈久区間はM7.5なら0から6%、八代海区間はM7.3で0から16%とされていた。あくまで今回より大きく見積もっているものの、地震7は、やはり大きい。

(49)は布田川断層帯だ。16日のM7.3は、この関連とされ、M7.0超の発生確率は、ほぼ0から0.9%と、かなり低く見られていた。下記の別府ー島原地溝帯への移行も危惧されている。

(23)の別府ー万年山断層帯は、西部がM6.7で2から4%、東部では0.03から4%となっていた。現在は、ここでの地震が急増している。

(24)の雲仙断層帯なら、南西部(北側)がM7.3で0から4%、南西部(南側)はM7.1で0.5から1%と、こちらもかなり低い。

上図通り、大分側には無数の活断層が走る。豊後水道や日向灘に及ぶなら津波の発生も想定しなくてはならない。別府ー島原地溝帯は愛媛県まで達しており、近くには伊方原発がある。

日奈久断層の南側には、まだ割れていない活断層が不気味にも残る。その先には川内原発もある。これで終わりでなければ、それこそ怖い。安蘇山にも影響しかねない。小規模噴火を始めたようだが、無事、鎮静化を願うばかりだ。

☆都道府県庁所在地等の確率では‥。

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熊本市は8%で決して高い方ではなかった。

一方、この確率には想定外がある。東南海地震が危惧される高知や和歌山といった各地での高確率は当然としても、さらに高い地域が狭い範囲に集中して存在していることにお気付きだろうか。そう、関東地方のことだ。

筆頭は横浜市の78%で、千葉市が73%で続く。3番目は水戸市が70%で高知市に並ぶ。さいたま市でも51%と、これだけで都道府県の危険地帯上位を独占してしまう。果たして、これらに居住する住民が、どれだけ現状を認識していることか。関東の地震は、あくまで東京や神奈川だけが首都直下型であり、千葉、さいたま、水戸では、危機意識に乏しいのではないか。

熊本市(実際は益城町)は8%の確率で震度7に見舞われた。現在、最も低いのは札幌の0.9%だが、安全なのではない。阪神淡路大震災の前は神戸も1%に満たなかった。

確率は発生サイクルからみた試算あり整合性には乏しい。たが、やはり高いほど危険なのは確かだ。ならば南関東は最凶であり、連動の可能性だって否定出来ない。

確率とは別だが、伊豆(諸島)方面は大丈夫だろうか。さらには箱根周辺もである。しばらく不動の火山地帯が揺れ出せば、その先には富士山が控える。九州が大きく動いて安蘇山が、そして伊豆が動いて富士山が目覚める。最悪なら南海トラフと連動しかねない。考えたくはないが、このパターンが一番怖い。

こう書くと、「安蘇と富士ではメカニズムが違う」、「M7クラスの規模なら巨大地震は誘発しない」との説からは逸脱するかも知れない。だが自然に絶対はない。今回も、どれだけの者が九州地方の大地震を訴えていただろうか。東北に集中するあまり、西日本を見逃していたのではないか。何れにせよ、一日も早い終息を願いたいものだ。