数日前、NHK朝のニュースの中で、アジアから来日する技能実習生の問題を取り上げていた。
実習生といえば聞こえはいいが、これまでは低賃金が魅力の、不足する労働力を補填する目的でしかなかった。それが今ではアジア諸国の高度成長で一変した。
何処の国でも人手は足りない。外国へ貴重な人材を供給出来るゆとりなどない。なにより賃金の高騰で日本へ行くメリットもない。そこで、解放から日が浅く、まだ所得水準の低いミャンマーに着目したものの、ここでも大きな問題が立ちはだかる。
確かに、ミャンマーの所得水準は東南アジアでも極めて低い。だが、わざわざ日本まで出向く必要はない。近隣のタイやシンガポールでも、同じか、それ以上の収入が約束される。国内でも人手不足著しく賃金は急騰している。出稼ぎ先として日本の魅力は最早ないということだ。
番組では外国人技能実習生の受け入れに奔走する中小企業経営者の苦労を追う。一戸建てを、家電付き、パソコン使い放題にして家賃一万円で用意し、やっと“来ていただく”ことで決着するが、なんと大変なことか。
スーパーやコンビニでも、このところ外国人の働く姿を滅多に見かけなくなった。いるのは日本人ばかりで、それも生活費の確保に追われる学生が多い。近くの大学では、アルバイト漬けの日本人学生を横目に高級車で乗り付ける中国人に、潤沢な仕送りを元手に豪華マンションから通学する東南アジアからの留学生までいる。
最近は不足する労働力を外国人で補うべく議論が絶えない。すると必ず異論が噴出する。看護や介護の分野では既に始まったが、難解な試験や離職率の高さを取り上げ、排除を優先する。移民政策などは最たるもので「治安の悪化」を理由に反対意見が続出する。
確かに国家は単一民俗が好ましい。だが、なにか履き違えているのではないか。移民の是非を問うのは大いに結構だが、その前に「来て頂ける? か否か」の思考が抜け落ちているのだ。
一人当たりのGDP比では、あと数年で韓国に抜かれる。中国では極東在住の一億人が日本人を上回る。タイやベトナムが後を追う。インドネシアやフィリピンといったASIAN諸国が猛追する。既に、シンガポールは日本よりも遥かに高い。しかも高度成長著しく、お先真っ暗な日本と違って、耀かしい未来が待ち受けている。
人手不足に外国人活用は否定しない。当然のことだ。だが、なにか釈然としない。移民も、日本経済が世界を牽引した1980年代ならいざ知らず、今や実状は低開発国に等しい。しかも少子高齢化で先々の見通しも立たない。こんな国に誰が来ようか。最早、手遅れということだ。
疑問が、もうひとつある。労働力の不足を嘆く反面、非正規社員の急増である。商品のみならず、人件費も需給バランス(有効求人倍率)に左右されるはずだが、それがない。雇用統計でも非正規社員が増え続け個人所得たるや30年近く下がり続ける。
この際、非正規(派遣)といった制度はやめるべきではないか。人手不足に、衣食住付きで正社員並みに外国人を厚遇するなら、非正規で満足に仕事がない日本がまだ多くいる。外国人の活用は不可欠としても、個人所得のみならず子供の貧困率までAA諸国にも劣る16.3%なんて、やはりおかしい。非正規枠を縮小して所得が増えれば消費拡大に結び付く。現状を打破するには、こうした発想しかないと思うが‥。
実習生といえば聞こえはいいが、これまでは低賃金が魅力の、不足する労働力を補填する目的でしかなかった。それが今ではアジア諸国の高度成長で一変した。
何処の国でも人手は足りない。外国へ貴重な人材を供給出来るゆとりなどない。なにより賃金の高騰で日本へ行くメリットもない。そこで、解放から日が浅く、まだ所得水準の低いミャンマーに着目したものの、ここでも大きな問題が立ちはだかる。
確かに、ミャンマーの所得水準は東南アジアでも極めて低い。だが、わざわざ日本まで出向く必要はない。近隣のタイやシンガポールでも、同じか、それ以上の収入が約束される。国内でも人手不足著しく賃金は急騰している。出稼ぎ先として日本の魅力は最早ないということだ。
番組では外国人技能実習生の受け入れに奔走する中小企業経営者の苦労を追う。一戸建てを、家電付き、パソコン使い放題にして家賃一万円で用意し、やっと“来ていただく”ことで決着するが、なんと大変なことか。
スーパーやコンビニでも、このところ外国人の働く姿を滅多に見かけなくなった。いるのは日本人ばかりで、それも生活費の確保に追われる学生が多い。近くの大学では、アルバイト漬けの日本人学生を横目に高級車で乗り付ける中国人に、潤沢な仕送りを元手に豪華マンションから通学する東南アジアからの留学生までいる。
最近は不足する労働力を外国人で補うべく議論が絶えない。すると必ず異論が噴出する。看護や介護の分野では既に始まったが、難解な試験や離職率の高さを取り上げ、排除を優先する。移民政策などは最たるもので「治安の悪化」を理由に反対意見が続出する。
確かに国家は単一民俗が好ましい。だが、なにか履き違えているのではないか。移民の是非を問うのは大いに結構だが、その前に「来て頂ける? か否か」の思考が抜け落ちているのだ。
一人当たりのGDP比では、あと数年で韓国に抜かれる。中国では極東在住の一億人が日本人を上回る。タイやベトナムが後を追う。インドネシアやフィリピンといったASIAN諸国が猛追する。既に、シンガポールは日本よりも遥かに高い。しかも高度成長著しく、お先真っ暗な日本と違って、耀かしい未来が待ち受けている。
人手不足に外国人活用は否定しない。当然のことだ。だが、なにか釈然としない。移民も、日本経済が世界を牽引した1980年代ならいざ知らず、今や実状は低開発国に等しい。しかも少子高齢化で先々の見通しも立たない。こんな国に誰が来ようか。最早、手遅れということだ。
疑問が、もうひとつある。労働力の不足を嘆く反面、非正規社員の急増である。商品のみならず、人件費も需給バランス(有効求人倍率)に左右されるはずだが、それがない。雇用統計でも非正規社員が増え続け個人所得たるや30年近く下がり続ける。
この際、非正規(派遣)といった制度はやめるべきではないか。人手不足に、衣食住付きで正社員並みに外国人を厚遇するなら、非正規で満足に仕事がない日本がまだ多くいる。外国人の活用は不可欠としても、個人所得のみならず子供の貧困率までAA諸国にも劣る16.3%なんて、やはりおかしい。非正規枠を縮小して所得が増えれば消費拡大に結び付く。現状を打破するには、こうした発想しかないと思うが‥。