巨人軍が野球賭博に続いて今度は声出しでの金銭授受で揺れている。西武ライオンズや阪神タイガース、ソフトバンクホークスも会見で認めた。恐らく大半の球団に及ぶのではないか。巨人では勝った場合、声出し役に御祝儀として一人あたり5千円を支払っていたという。
5千円の価値は、見方や立場によって様々だろうが、やはり大きい。プロ野球は年間140試合行われる。80勝なら40万円の出費を余儀なくされる。「声出し役で稼げるじゃないか」も一理にせよ、出費の方が遥かに大きい。「じゃあ負けたれ!」 となっても不思議ではない。
こうした賞罰行為は一般社会でも日常茶飯事だった。だが景気低迷が激減させた。四半世紀も実質収入が下がり続ければ、それどころではない。今の若者の多くはギャンブルさえしない。いや出来ない。競馬、競輪のみならず、サラリーマンの定番だった麻雀ですら、やっているのは高齢者ばかりだ。ぎりぎりの生活の中では衣食住以外に使える余裕などあろうはずもない。
かつての日本社会には不正が蔓延していた。金品授受が不正との認識すらなかった。公立学校の教師宅では、中元や歳暮の季節になると、入りきらない贈答品が押し入れからこぼれ落ちていた。警察所長の異動では、関係先からの御祝儀が殺到し、家一軒が建つのでは、とさえ言われていた。それが今では、脈々、いや堂々と引き継がれるのは医師ぐらいになってしまった。
巨人が特に問題なのか、プロ野球全体なのかは不明ながら、時代錯誤甚だしいのは確かだ。あたかも昭和30年から40年代の様相である。責任は選手個人や球団だけにあるのではない。日本社会や国民にだってある。何せ、こうした行為を咎めなかった。一定額を超えた金銭授受には納税義務があるが、それすら問わない。
プロ野球は宗教法人ではない。ならば、納税義務のない“お布施”は御法度のはずだが、誰も問題視しない。結果としと大金が右から左へと流れる。医師の場合は、いつ自身や家族が利害関係者になるかも知れず、追求が及び腰になるのは分からないでもないが、プロ野球では、子息に入団の期待でもない限りは、まずない。
黒い霧事件は別として、これ迄、裏金の授受で脱税に問われた者がいただろうか。女性問題で1億円を騙し取られた事件でも、球団発表は「〇〇君は被害者」であり、本人は「合意の上で渡した」として不正供与は免れ一件落着になっているが、それなら贈与だ。きちんと納税義務は果したのだろうか。
アスリートは身の潔白を証明した上で戦わねばならない。ドーピングに関しても同じことで、ファンの目が厳しければ、清原だって薬物に手を出さずに済んだかも知れない。マスコミのみならず、ファンにしても、「プロ野球全選手にドーピング検査を」と、どれだけの者が訴えていただろうか。
多くの競技団体は抜き打ち検査を義務付ける。大リーグでも実施し、スーパースターでさえ何人もが摘発され、厳しい処分が下されるていのに対して、プロ野球では聞いたことがない。
五輪はドーピングに厳しい。賭博にはもっと厳しい。このままなら確実に選考対象から除外されてしまうだろう。プロ野球の審判は球審や塁審だけではない。我々ファンが一番の審判であることを忘れてはならない。
5千円の価値は、見方や立場によって様々だろうが、やはり大きい。プロ野球は年間140試合行われる。80勝なら40万円の出費を余儀なくされる。「声出し役で稼げるじゃないか」も一理にせよ、出費の方が遥かに大きい。「じゃあ負けたれ!」 となっても不思議ではない。
こうした賞罰行為は一般社会でも日常茶飯事だった。だが景気低迷が激減させた。四半世紀も実質収入が下がり続ければ、それどころではない。今の若者の多くはギャンブルさえしない。いや出来ない。競馬、競輪のみならず、サラリーマンの定番だった麻雀ですら、やっているのは高齢者ばかりだ。ぎりぎりの生活の中では衣食住以外に使える余裕などあろうはずもない。
かつての日本社会には不正が蔓延していた。金品授受が不正との認識すらなかった。公立学校の教師宅では、中元や歳暮の季節になると、入りきらない贈答品が押し入れからこぼれ落ちていた。警察所長の異動では、関係先からの御祝儀が殺到し、家一軒が建つのでは、とさえ言われていた。それが今では、脈々、いや堂々と引き継がれるのは医師ぐらいになってしまった。
巨人が特に問題なのか、プロ野球全体なのかは不明ながら、時代錯誤甚だしいのは確かだ。あたかも昭和30年から40年代の様相である。責任は選手個人や球団だけにあるのではない。日本社会や国民にだってある。何せ、こうした行為を咎めなかった。一定額を超えた金銭授受には納税義務があるが、それすら問わない。
プロ野球は宗教法人ではない。ならば、納税義務のない“お布施”は御法度のはずだが、誰も問題視しない。結果としと大金が右から左へと流れる。医師の場合は、いつ自身や家族が利害関係者になるかも知れず、追求が及び腰になるのは分からないでもないが、プロ野球では、子息に入団の期待でもない限りは、まずない。
黒い霧事件は別として、これ迄、裏金の授受で脱税に問われた者がいただろうか。女性問題で1億円を騙し取られた事件でも、球団発表は「〇〇君は被害者」であり、本人は「合意の上で渡した」として不正供与は免れ一件落着になっているが、それなら贈与だ。きちんと納税義務は果したのだろうか。
アスリートは身の潔白を証明した上で戦わねばならない。ドーピングに関しても同じことで、ファンの目が厳しければ、清原だって薬物に手を出さずに済んだかも知れない。マスコミのみならず、ファンにしても、「プロ野球全選手にドーピング検査を」と、どれだけの者が訴えていただろうか。
多くの競技団体は抜き打ち検査を義務付ける。大リーグでも実施し、スーパースターでさえ何人もが摘発され、厳しい処分が下されるていのに対して、プロ野球では聞いたことがない。
五輪はドーピングに厳しい。賭博にはもっと厳しい。このままなら確実に選考対象から除外されてしまうだろう。プロ野球の審判は球審や塁審だけではない。我々ファンが一番の審判であることを忘れてはならない。