地震には不思議なことがある。規模が大きくなるほど荒天下では起きない。中小の地震や、遠方の巨大地震に起因した揺れは別として、暴風雨に曝されているような場所を震源とした大地震は歴史的にも見当たらないのだ。
既発域内も少ない。特定の場所に地震が相次ぐと、誰もが、その周辺を疑う。そして「大地震が来るぞ」と大騒ぎをする。だが実際は異なる領域が襲われることが多い。それも、安全を確信する地域や、穏やか日和にあって、油断している最中が、ことさら多い。
さらにある。地震多発地帯に反して静かになっている場所である。多々あるが、中でも特筆は伊豆半島と、その周辺ではないだろうか。
伊豆半島は、南方のフィリピン海プレート上にあった島だが、移動により日本列島と合体し、約60万年から20万年前に今のような本州から突き出た半島になったといわれる。そのために歪みが溜まりやすく、これまでも度々、大地震に見舞われてきた。
下記の通り、20世紀だけでも‥
1930年、北伊豆地震、M7.3
1974年、伊豆半島沖地震、M6.9
1978年、伊豆大島近海地震、M7.0
その他、周辺では
1924年、丹沢地震(大震災余震)、M7.3
1980年、伊豆半島東方沖地震、M6.7
‥と、M7クラスの大地震が多発し、これより規模の小さなものを含めて絶え間なく発生してきた。群発地震も頻発し、日本列島屈指の鳴動地帯でもある。
又、伊豆地方は有数の火山地帯としても知られる。1989年には伊豆東部火山群で群発地震が発生するや、伊東市の東方、僅か3キロ先に位置する手石海丘で、有史依頼初の海底噴火があったのは記憶に新しい。
近頃、この地震地帯に目立った動きが見られない。時折、小規模の単発や多少の群発はあるものの、一定規模での発震は、もう一年以上もないのだ。静寂は好ましいが、あまりないのも気になる。
直ぐ北側には富士山がある。昨年、噴火警戒レベル3にまでなった箱根山も控える。東海地震想定域や、関東大震災を引き起こした相模プレートにも近い。何より人口密集地帯である首都圏に隣接している。
伊豆地方の鳴動は、時として、静岡東部のみならず、首都圏にも甚大な被害をもたらす。地震では大きく揺られ、南関東の臨海部は津波の危険に晒される。破局噴火でもあれば、ポンペイの再来が現実味を帯びる。いわば、陸海空から攻められ、退路を断たれたようなものだ。
大きな地震ほど穏やかな日和に発生する。今が、そうだとは言わないが、「これほど爽やかな日和に地震なんてないだろう」の油断が、やはり一番危ないということだ。
既発域内も少ない。特定の場所に地震が相次ぐと、誰もが、その周辺を疑う。そして「大地震が来るぞ」と大騒ぎをする。だが実際は異なる領域が襲われることが多い。それも、安全を確信する地域や、穏やか日和にあって、油断している最中が、ことさら多い。
さらにある。地震多発地帯に反して静かになっている場所である。多々あるが、中でも特筆は伊豆半島と、その周辺ではないだろうか。
伊豆半島は、南方のフィリピン海プレート上にあった島だが、移動により日本列島と合体し、約60万年から20万年前に今のような本州から突き出た半島になったといわれる。そのために歪みが溜まりやすく、これまでも度々、大地震に見舞われてきた。
下記の通り、20世紀だけでも‥
1930年、北伊豆地震、M7.3
1974年、伊豆半島沖地震、M6.9
1978年、伊豆大島近海地震、M7.0
その他、周辺では
1924年、丹沢地震(大震災余震)、M7.3
1980年、伊豆半島東方沖地震、M6.7
‥と、M7クラスの大地震が多発し、これより規模の小さなものを含めて絶え間なく発生してきた。群発地震も頻発し、日本列島屈指の鳴動地帯でもある。
又、伊豆地方は有数の火山地帯としても知られる。1989年には伊豆東部火山群で群発地震が発生するや、伊東市の東方、僅か3キロ先に位置する手石海丘で、有史依頼初の海底噴火があったのは記憶に新しい。
近頃、この地震地帯に目立った動きが見られない。時折、小規模の単発や多少の群発はあるものの、一定規模での発震は、もう一年以上もないのだ。静寂は好ましいが、あまりないのも気になる。
直ぐ北側には富士山がある。昨年、噴火警戒レベル3にまでなった箱根山も控える。東海地震想定域や、関東大震災を引き起こした相模プレートにも近い。何より人口密集地帯である首都圏に隣接している。
伊豆地方の鳴動は、時として、静岡東部のみならず、首都圏にも甚大な被害をもたらす。地震では大きく揺られ、南関東の臨海部は津波の危険に晒される。破局噴火でもあれば、ポンペイの再来が現実味を帯びる。いわば、陸海空から攻められ、退路を断たれたようなものだ。
大きな地震ほど穏やかな日和に発生する。今が、そうだとは言わないが、「これほど爽やかな日和に地震なんてないだろう」の油断が、やはり一番危ないということだ。