日本の出生数が減り続ける。昨年の合計特殊出生率は、1.42で9年ぶりに下がったとはいえ、この数年が出産年齢層の一時的増加の結果であり、基本的に下がり続けていたことには違いない。この先、高齢者の急増と、その欠落の加速によって人類史上経験のない空虚な社会が待ち受ける。
こうした折、一部有識者によって高齢者の地方移住計画が持ち上がった。東京などの大都市では介護施設が足りない。医療機関も不足する。施設を造るだけの場所もない。介護士も足りない。といった理由からだ。しかも豊かで元気な高齢者が移住することで地方が活性化するのだという。
「地方をばかにするな!」。一部の首長が怒っているが、その通りだ。豊かな者は自己資金で豪華な有料施設に入るだろうし、元気な者は進んで愛着ある我が家を捨てない。従うとすれば貧しい者か加齢で寝たきりになった者だけだ。希に条件に沿った高齢者がいたにせよ、ごく僅かだろう。結果として莫大な負担を地方に強いることになる。介護士だって足りない。医療従事者だって足りない。地方への転籍を促そうにも絶対数が足りない。今現在、余裕のある自治体であれ、高齢者急増の予備軍であり、まもなく域内ですら支えきれなくなる。そこへ要介護者の参入だ。実態から掛け離れた稚拙な発想であり、あまりにも短絡的すぎる。
現在の介護士総数120万人も、維持するのさえ困難で、間もなく100万人割れは必至だ。2040年なら60万人の確保がやっとだろう。他業種との奪い合いが生じれば、さらに悪化する。介護士の地方転籍で地方が活性化する下地などどこにもない。総数が氷解する中で高齢者だけが増え続けるのだ。
大都市は厄介者を追い出して財政負担も軽減できて万々歳だろうが、地方は金食い虫を押し付けられて益々疲弊してしまう。これでは介護士は増えるどころか過重労働に耐えかねて激減する。態勢の整っている地方の医療機関であれ、著しい少子化は、人材不足を確実に招く。
現在65歳以上の高齢者は3186万人だ。これは全体の4分の1で1985年の10%から急増している。2035年には4000万人を越える。減る一方の介護士に加速度的に増える高齢者。政府の補助を期待したところで財政難は悪化するばかりだ。行き着くところは弱者の切り捨てであり、平成版『姥捨山』だ。こんなことは絶対にあってはならない。
高齢者を地方に移住させるのなら、その前に地方を活性化せよ。地方を豊かにした上で介護産業を充実させよ。介護士の待遇を改善せよ。外国人に門戸を解放せよ。景気低迷と円安で、最早、日本は魅力ある国ではない。早くしないと日本の介護士の方がが先に、高収入に魅せられてアジア諸国に出稼ぎに出て行く時代になってしまう。時間がない。安直な『姥捨』政策で地方創成なんて絶対反対だ。
ちなみに、高齢化社会がピークを迎えるのは2040年から2045年頃だ。こうした駄策が軌道に乗ったにせよ同時期だろう。ご老体の発案者は既にこの世にいない。しわ寄せは今の40歳から50歳代に降りかかる。しかも、その頃には国の財政が健全である保証はない。年金も介護保険制度も崩壊しているかも知れない。国にも自治体にも、もちろん家族にも見捨てられ、遠い彼方で一人寂しく最期を迎えることになる。それも一定の蓄えがあっての話だ。全てを失った日本人の多くは、そう、楢山節考を自力で演じなくてはならない。
こうした折、一部有識者によって高齢者の地方移住計画が持ち上がった。東京などの大都市では介護施設が足りない。医療機関も不足する。施設を造るだけの場所もない。介護士も足りない。といった理由からだ。しかも豊かで元気な高齢者が移住することで地方が活性化するのだという。
「地方をばかにするな!」。一部の首長が怒っているが、その通りだ。豊かな者は自己資金で豪華な有料施設に入るだろうし、元気な者は進んで愛着ある我が家を捨てない。従うとすれば貧しい者か加齢で寝たきりになった者だけだ。希に条件に沿った高齢者がいたにせよ、ごく僅かだろう。結果として莫大な負担を地方に強いることになる。介護士だって足りない。医療従事者だって足りない。地方への転籍を促そうにも絶対数が足りない。今現在、余裕のある自治体であれ、高齢者急増の予備軍であり、まもなく域内ですら支えきれなくなる。そこへ要介護者の参入だ。実態から掛け離れた稚拙な発想であり、あまりにも短絡的すぎる。
現在の介護士総数120万人も、維持するのさえ困難で、間もなく100万人割れは必至だ。2040年なら60万人の確保がやっとだろう。他業種との奪い合いが生じれば、さらに悪化する。介護士の地方転籍で地方が活性化する下地などどこにもない。総数が氷解する中で高齢者だけが増え続けるのだ。
大都市は厄介者を追い出して財政負担も軽減できて万々歳だろうが、地方は金食い虫を押し付けられて益々疲弊してしまう。これでは介護士は増えるどころか過重労働に耐えかねて激減する。態勢の整っている地方の医療機関であれ、著しい少子化は、人材不足を確実に招く。
現在65歳以上の高齢者は3186万人だ。これは全体の4分の1で1985年の10%から急増している。2035年には4000万人を越える。減る一方の介護士に加速度的に増える高齢者。政府の補助を期待したところで財政難は悪化するばかりだ。行き着くところは弱者の切り捨てであり、平成版『姥捨山』だ。こんなことは絶対にあってはならない。
高齢者を地方に移住させるのなら、その前に地方を活性化せよ。地方を豊かにした上で介護産業を充実させよ。介護士の待遇を改善せよ。外国人に門戸を解放せよ。景気低迷と円安で、最早、日本は魅力ある国ではない。早くしないと日本の介護士の方がが先に、高収入に魅せられてアジア諸国に出稼ぎに出て行く時代になってしまう。時間がない。安直な『姥捨』政策で地方創成なんて絶対反対だ。
ちなみに、高齢化社会がピークを迎えるのは2040年から2045年頃だ。こうした駄策が軌道に乗ったにせよ同時期だろう。ご老体の発案者は既にこの世にいない。しわ寄せは今の40歳から50歳代に降りかかる。しかも、その頃には国の財政が健全である保証はない。年金も介護保険制度も崩壊しているかも知れない。国にも自治体にも、もちろん家族にも見捨てられ、遠い彼方で一人寂しく最期を迎えることになる。それも一定の蓄えがあっての話だ。全てを失った日本人の多くは、そう、楢山節考を自力で演じなくてはならない。