台風崩れの低気圧が日本列島沿いを通過した。案の定、強い風雨の後に地震があった。津波もなく、人的被害も軽微だったことは救いだ。

こうした地震があると、随所で、また同じ区域で大地震があるのではと騒ぎ立てる。確かに、あの311の数日前には大きな前震があり、そして続いた。だが往々にして、余震を除けば、同じ区域で続いたケースは先ずない。必ず盲点を衝かれている。専門家の指摘箇所の一番少ない地域の方が危ういということだ。近々なら、東北日本海側であり、中国、四国、九州といった西日本が最も少ない。

一方の箱根山だが、一部のメディアで、最悪の場合、犠牲者一千万人説が出てきた。だが問題もある。五万年以前の噴火は山体崩壊だ。当事は今の倍、三千メートル近い山だった。火砕流も凄まじい。最大値で横浜まで達しても不思議ではない。

でも現在は違う。千四百メートルの山にそれだけの破壊力はあるだろうか。外輪山を見渡しても、山高は、千メートル前後しかない。断定は出来ないが、既に山体崩壊を経た山の破壊力は限られている。但し、巨人噴火(スーパーボルケーノ)の再来なら別だ。

噴火の危機は箱根山だけではない。火山噴火情報発令中の浅間山や日光白根山は二千五百メートル級の山だ。崩壊を伴う噴火があるなら、自ずと、こちらの方が破局噴火となる。しかも首都圏に位置する。被害は予測不能なほど甚大なものになるだろう。でも、やはり怖いのは富士山だ。なにせ原型を保っている。これが崩壊したら! 考えるだけで背筋が凍りつく。

巨大地震は100%の確率で四年以内に火山噴火を伴う。御嶽山クラスの噴火はカウントしないという。ならば噴火の規模は如何ぼどになるのか。Xデーに向けてのカウントダウンは、その数を日々に減らしていく。