コニーデ火山の代表格である富士山は山体を崩壊させるような噴火を起こしていない。だからこそ円錐形の美しい原型を保っている。だが箱根山は違う。山体は吹き飛び原型を保っていない。一説では現在の倍の高さがあったそうだ。

この箱根山は、3000年前の噴火で大涌谷や芦ノ湖を形成し、50000年ほど前の噴火は文字通り破局噴火で、火砕流が横浜市の西部まで達したとされている。

神奈川県の人口9百万人の内、三分の一は湘南地区に居住する。横浜市の西部地区には横浜の人口の半数が、そして相模原など北部地区にも110万人が住んでいる。仮に今日に当てはめるなら、600万人が被災者となる。ただし、あくまで火砕流だ。加えて降灰被害がある。これがまた凄まじい。

かつての破局噴火による降灰量は、小田原で4m、湘南地区で1m、横浜市や東京23区では20cmだったという。ある試算では、トカラ列島の噴火で日本列島が壊滅する降灰量は、東日本で10cmだ。10cmなら関東地方のみならず、東北地方や北信越だって降り積もる。風向きにもよるが、浜岡原発のある静岡県の南東部は、さらに近い。

日本では今、十を越える活火山が動き出している。今朝のニュースだと桜島の噴火が年間で500回に達した。これは観測史上最速だという。

M9を超える巨大地震の場合、4年以内に規模の大きな噴火が起きる確率は100%だ。御嶽山の噴火は規模的にカウントに値しない。ならば次なる噴火はどこなのか。その前に別の地震を誘発するのか。

巨大地震や噴火は怖い。だが、一ヶ所に目を奪われて虚を衝かれるのは、もっと怖い。世界最大の海底火山(タム山塊)だって日本近海にある。これが動けば、史上稀に見る破局的な噴火に巨大地震、そして巨大な津波が同時に発生する。まっ、これはないと思うが、物事に絶対はない。やはり人間社会には自然の反乱が一番の恐怖だ。