疲弊する社会にあって道州制の議論が熱を帯びてきた。道州制そのものは結構なことだ。自治権を拡大することで地域住民を幸せに出来る。だが、それは相応の国土に国力、健全な社会背景があって初めて成り立つ。日本にはそれがない。あるのは少子高齢化の社会と衰退する現実だけだ。
これまでの日本は、地方の人口が減る中でも、道府県庁所在地が受け皿になることで自治体の衰退に一定の歯止めをかけてきた。道州制はこれを破壊する。既存の中枢管理機能は州都に集積し、企業の出先統合とも相まって、県レベルでの限界集落化が加速するだろう。結局は日本の衰退を助長するだけだ。
日本は1980年代のバブル期にも移民を解禁すべきだった。移民は混乱をもたらす。確かにそうだ。欧米を見れば分かる。だが概ね移民容認国は健全だ。人口のバランスのみならず、経済面でも順調なのは内需潤沢な移民国家であり、衰退著しいのは非移民国家の方だ。混乱を恐れて排外主義を取るか、国家の存亡には混乱もやむ無しか、答は明確だったはずだ。それが“長老族”は違った。今でも、人口激減でも日本は安泰だ、と吹聴する。彼らはいい。豊かな時代を満喫して多額の借金を残した。だが返済義務はない。十年二十年先にはいないから勝手なことを言える。総ての責任を後世に転嫁して去ってゆく。もう、老害はいらない。
最近になって、やっと移民容認論が出てきた。だが遅い。五輪需要で不足する労働力を補おうなんて虫が良すぎる。五輪が終えたら追放でもするのか。
移民の目的は豊かな国での暮らしだ。30年前ならまだしも今の日本は豊かでない。為替レートにもよるが所得水準は中東産油諸国に全く及ばない。インドの富裕層や中国都市部在住の1億人にも敵わない。東南アジアだって全人口の5%は日本人の平均所得を上回る。最早、日本は憧れの豊かな国ではない。益々疲弊する日本を目指す必要などないということだ。
この先、日本の若者が先に国を離れる。見限ると言うべきか。財政は破綻し社会保険制度はない。預貯金は没収され、不動産価値は無いに等しい。国内に留まるなら実費での悲惨な老人介護が待ち受ける。こんな国にどれだけの若者が残るだろうか。移民の容認も、受け入れではなく、流出になってしまうだろう。
今求められるのは道州制などではない。国の再建だ。国が駄目なら、もっと強い権力を持てばよい。英国やスペインは他人事ではない。近い将来、北海道や四国に九州・沖縄、それに関西だって完全な独立を目指すかも知れない。
これまでの日本は、地方の人口が減る中でも、道府県庁所在地が受け皿になることで自治体の衰退に一定の歯止めをかけてきた。道州制はこれを破壊する。既存の中枢管理機能は州都に集積し、企業の出先統合とも相まって、県レベルでの限界集落化が加速するだろう。結局は日本の衰退を助長するだけだ。
日本は1980年代のバブル期にも移民を解禁すべきだった。移民は混乱をもたらす。確かにそうだ。欧米を見れば分かる。だが概ね移民容認国は健全だ。人口のバランスのみならず、経済面でも順調なのは内需潤沢な移民国家であり、衰退著しいのは非移民国家の方だ。混乱を恐れて排外主義を取るか、国家の存亡には混乱もやむ無しか、答は明確だったはずだ。それが“長老族”は違った。今でも、人口激減でも日本は安泰だ、と吹聴する。彼らはいい。豊かな時代を満喫して多額の借金を残した。だが返済義務はない。十年二十年先にはいないから勝手なことを言える。総ての責任を後世に転嫁して去ってゆく。もう、老害はいらない。
最近になって、やっと移民容認論が出てきた。だが遅い。五輪需要で不足する労働力を補おうなんて虫が良すぎる。五輪が終えたら追放でもするのか。
移民の目的は豊かな国での暮らしだ。30年前ならまだしも今の日本は豊かでない。為替レートにもよるが所得水準は中東産油諸国に全く及ばない。インドの富裕層や中国都市部在住の1億人にも敵わない。東南アジアだって全人口の5%は日本人の平均所得を上回る。最早、日本は憧れの豊かな国ではない。益々疲弊する日本を目指す必要などないということだ。
この先、日本の若者が先に国を離れる。見限ると言うべきか。財政は破綻し社会保険制度はない。預貯金は没収され、不動産価値は無いに等しい。国内に留まるなら実費での悲惨な老人介護が待ち受ける。こんな国にどれだけの若者が残るだろうか。移民の容認も、受け入れではなく、流出になってしまうだろう。
今求められるのは道州制などではない。国の再建だ。国が駄目なら、もっと強い権力を持てばよい。英国やスペインは他人事ではない。近い将来、北海道や四国に九州・沖縄、それに関西だって完全な独立を目指すかも知れない。