猛暑で熱中症の危険があると言われる日本の2022年の夏でも、不思議なことに住宅地なのに外でマスクを外して歩いている人を見るのは希だ。ちらほらしか人が歩いていないような道でどこに感染拡大の道理があるのだろうと思うが、そういうことは思わないのだろう。要するに、何も考えていないのだと思う。

マスクが好きなのなら勝手にすれば良いが、そんな人はいないだろう。冬なら防寒効果もあるので分かるが夏にメリットはひとつもない。むしろ熱中症の危険性が言われているくらいだ。

「おまえに何か迷惑をかけているのか？」と言われそうだが、この過剰な空気の中で、公共の場所でもマスクが義務化されて、おそらく意味がないであろうマスクを強制され苦しい思いをしている。そりゃまあ、それで何か重大なダメージを受けることはないっちゃあないが。

2020年頃の調査でマスクをする理由の６割くらいが「みんながしているから」だという結果で驚いた。自分で判断しない人がなんと多いのだろうと。

感染効果をどう考えるかは別にして、人の多い場所でのマスク着用はもうマナーと化している。相手を不安にさせないためだ。お互いにそう思いながらマスクをしているのも滑稽だが、たまにとても神経質な人や重症化リスクのある人もいるので意味はあるだろう。

しかし、外気が30度を越える誰も歩いていない歩道で、マスクをする効果はゼロだし、熱中症の危険の方が高いだろう。しかし、ほとんどの人がマスクだ。何なのだろう。

マスクの感染防止効果の科学的なエビデンスはない。諸説言われているが、これで間違いないというものはない。ちなみに、スーパーコンピューター富岳でのシミュレーションがたまに報道されるが、あれはあてにならないと思っている。某かの印象操作に使われている可能性が濃厚である。

シミュレーションは、前提条件や特性を人間が入力して行うのだから、そのデータによっては結果は大きく変わるし「変えられる」のだ。

あれほど飛沫感染すると喧伝したいたにもかかわらず、五輪開催が迫ってくると絶妙のタイミングで「こういうケースなら大丈夫」的なシミュレーションが報道された。タイミングが良すぎるし内容が強引だ。さらにバーベキューでのシミュレーションでは、バーベキューを囲んだ人達の飛沫が飛び交う模様が表現されていたが、バーベキューは火を囲んでいるので、そこには必ず上昇気流が起こる。しかし、そのシミュレーションでは上昇気流はなかった。富岳のシミュレーションはそういうものだと認識している。

だから「不織布の方が効果がある」と言うのも疑わしい。マスク不足の急な需要で政府から尻を叩かれ増産したが、大量の在庫を抱えてしまった事業者の在庫を掃かすための戦略だったのではないかと思う。

そもそも、インフルエンザの時代からコロナ禍初頭にも、マスクには「予防効果はない」という話ではなかったのか。医療関係者はメディアでもそう言っていた。マスクは「感染した人が他人へ移さないためにするもの」ではなかったのか。それであれば効果があるのは分かる。

しかし、マスクの繊維など軽く通ってしまうようなウイルスが空気中にいるとしたら、マスクなどで防げるはずがないだろう。防ぐ効果がある医療用マスクは着用時間15分が限界と言われるくらい苦痛なのだ。日常生活で使えるはずがない。「予防効果はない」という話はどこに行ったのだろう。

また、日頃からウイルスを研究している学者などの声が、カルト的だとかなんだかんだ言われてかき消されてしまう。そして、ウイルスの研究もしていない「専門家」の様々な話が巷に流布される。少なくともウイルスの特性はウイルス学者が一番詳しいのではないのか？その人達の話を無視する根拠は何なのだろう？

それにもしマスクに予防効果があるのなら、生真面目にマスクをしている日本で感染が拡大するはずがない。そう言うと反対する人は「そうではない、生真面目にマスクをしていたからこの程度で済んでいるのだ」という（笑）それを言い出したら何にでも言えるのだ。議論にならない。そういう反論も思考停止のひとつではないかと思ったりする。

それでは、あれほど感染が広がった海外でマスクを外しているのは何なのだ？元々海外に比べて日本の感染者は極めて少ない。まさに「さざ波」程度だった。そういう変なディティールを拾い出すと切りがないくらい、筋の通らない話がまかり通っている。

例え神経質な人だとしても、誰もいない歩道という感染の可能性ゼロの中でもマスクを付ける理由は何？

こういう思考停止が、いろいろな場面で起こっているのではないかと思って気持ち悪い。

マスクに見える現代日本。