単車でツーリングする趣味を持つ人の中には「ダム」が好きな人は大勢いると思われます。私も好きです。全部がコンクリートの無垢なわけでしょ?有無を言わせぬ大質量!

(これは黒部ダム。wikipediaより)


さて。ダムと言えば通常、「水を貯めるダム(治水・利水)」を指しますが、水を貯めないダムもあります。

そのうち「砂防ダム」と呼ばれるものは規模が小さく、たいていは付属施設を一切持っていませんので地味です。しかもちょっと山奥に行けばどこにでも存在するので珍しくもないですから注目される事もありません。



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四国の有名なダム、早明浦ダム。


(これもwikipediaより)
 

そのダム湖である「さめうら湖」は上流20km以上西にある大橋ダムまで繋がっているのですが、その南北両岸に沿って走る県道が快走路であるため、私はよく通ってます。

その道沿いには砂防ダムが多くあるのですが、中でも最近完成した「高野堰堤」。目立って規模が大きいうえ、相当に凝った意匠を持っているので気になっていました。

一見してわかる特徴は、前面を丸太で覆っている事ですが、同じ意匠は他でも数件見かけた事はあります。工事で伐採した木のリサイクルも兼ねているんでしょうか。

それよりも特別個人的に目を引いたのが、真ん中のタワーです。

流木をせき止める役目のブツだと思うのですが、通常の砂防ダムだと本体コンクリートにスリットを入れるか、せいぜい鉄格子を入れる程度でしょう。

それがココでは鋼管で組んだ自立構造物ですと!
個人的にこの形式は初めて見ますね。


ん~…正確ではありませんがざっくりこんなイメージだったかと。


この高野堰堤、もちろん本来の機能を充分果たすように考えられているでしょうが、それだけに限らない別の意図が含まれて作られたようにも見えます。何より、相当なコストが掛かってるでしょう。よく予算が通ったものです。



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ふと疑問に思ったのですが、これだけの大きさの砂防ダムが、なにゆえに「イマサラ」必要になったのかと言う事にチョッピリだけ興味が出ました。

なぜなら早明浦ダムが出来たのが1975年で、本来ならば周辺の砂防ダムも同時期に建設あるいは継続して調査・計画されたハズです。

ふつうに考えればネ。
それが高野堰堤は40年以上停滞していたっておかしくないですか?
まさかココの周辺の地形だけ当時から大きく変化しちゃったので急遽必要になった…ってワケでもあるまい。

てかココって以前はどんな状況だったっかな?6~7年くらい前からこの道知ってるはずだが思い出せぬ。

 

 


そこでGoogleMapのストリートビューを参照してみました。
あれって場所によっては更新されないままで10年ほど前の風景が見れたりするし。

衛星写真だと既に現在のカタチになっていますな。


ストリートビューを見ると…おお建物あるじゃん。


廃墟やね。どう見ても。


いやでも最近まで建物あったとゆー事はそれまで危険区域ではなかったってコトか?


いや~…さすがにそりゃねえだろうよ…



さらにストリートビューをよく見たらば。

おお、建物の西側に堰らしきものがあるじゃない。


…でもしょぼい。
これじゃ屁のつっぱりにもならんですよ。







とゆーワケでストリートビューから見る限りでは、この場所一帯が砂防ダム建設の必要性がある区域である。と、以前から認識されていた可能性は高いです。しかし、既存建物の存在によって長年に渡り計画を阻まれていたと。それは疑いようがありません。


つまり申し訳程度に作られていた西側のしょぼい堰、アレはいわば行政にとってのアリバイ作りだったんでしょう。

建設の意図はあったと。でもそうできない事情があるんだよと。みたいな。

もしも実際に自然災害がココで起きたら行政に責任が問われるのは火を見るより明らかなので、何もしないワケにもいかなったんでしょうな。

とにかく、どう見ても人が住んでないし維持管理もされている様子もない廃墟。
そう廃墟。

こんなのがずっ~と残っていて砂防ダム建設が停滞していたとするならば理由は2つしか考えられません。

①土地建物の所有者が不明または連絡手段が存在しなかったので手が付けられなかった。
②土地建物の所有者が頑として立ち退かなかったので手が付けられなかった。




どっちなんでしょうかね~。

 

とにかく現在、現実に廃墟は存在せず砂防ダムが建設されています。

すなわち過去にどんな問題があったにせよ解決はしてるって事なので、今となってはどうでもイイ事です。


つまりそうゆーことなんでしょう。

(なにが?)

 

 

 

いや~なんてーの?

高野堰堤に過分な意匠とコストが掛けられてるのは一種の憂さ晴らしの側面があったりする?

 

ははは。

まさかね。
 

 


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余談:

各所建物に貼られている政党ポスター、アレを貼っているからと言ってソコが必ずしも「党関係者」や「支持者」の建物であるとは限らないのは知っていますか?

政党ポスターが貼られているのは、関係者や支持者であるか否かではなく、もっと基本的な事。

たんに対象物の所有・使用者に「許容されている」からです。


ようするに支持者であっても政党ポスターは貼ってくれるな!という人はいますし、支持はしないけどポスターくらいは貼ってもいいよ♪という人もいるワケです。

それが原則なんですが、もちろん例外はあって。所有者が不明だったりして誰からも文句が来ないと判断すれば無差別に貼りまくるアホ組織や個人はある程度いるので、建物の所有者の意図に反して貼られている場合もあります。今回のネタになった廃墟がどちらなのかは分かりません。

ただし。少なくとも一定の常識と正常な感覚を持っている組織や個人であれば、わざわざ「いわくありげな廃墟」に党のポスターを貼ることはハナっから避けるのがふつうでしょうね。

どっちにしたってロクでもない連中ですわ。