高校はもちろん、六大学でも、江川が少し力を入れて指にかけたボールに打者がバットを当てることなど、ほとんどなかった。ところがプロでは、それを当ててくる。その対応力に、江川は驚かされたという。
江川が遠藤に同意を求めると、遠藤は「オレはその前に、すごい世界に入っちゃったと反省した」と即答した。
【170キロは出ていた!?】
江川と遠藤は同級生だが、高校時代に対戦経験はない。大学では、江川は法政大、遠藤は東海大と所属リーグが異なり、公式戦での対戦は、大学4年秋の明治神宮大会決勝での一度きりだった。
遠藤はこの試合をはっきりと覚えており、「あの江川と投げ合うんだ」と意気込んでマウンドに上がった。だが、当の江川は、それが明治神宮大会の決勝だったということしか覚えていない。