ほんっと、やだやだ…底辺実況

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昔、あるお店に綺麗な帽子と汚い帽子がいました。

二人は毎日喧嘩ばかり。

「君、今日も汚いね。」
と綺麗な帽子。

「君は最近作られたから綺麗なんだろ?」
と汚い帽子。

そんな小言を言い合っていたある日、お店にお客さんのおじいさんが来ました。
「すみません、この帽子をください。」

そう言っておじいさんが手に取ったのは、汚い帽子でした。

「何で僕じゃないんだ…」
綺麗な帽子は悔しがりました。

その晩、真夜中になり綺麗な帽子は考えました。

「何であのおじいさんは、汚い帽子を選んだのだろう?」

「汚かったからかな?」

「じゃあ、僕も汚くなったら選んでもらえるかな?」

綺麗な帽子は考えました。

「それなら…」

そう言い終わる前に…

ひゅうん

と風が吹き……

綺麗な帽子は棚から落ちてしまいました。

落ちたときに、綺麗な帽子は角が曲がり、
ほこりを被り、汚い帽子になってしまいました。

「これで僕も売れるかな…?」

それから何日も、何日も、
いくらお客さんが来ても綺麗だった帽子は売れませんでした。

そしてその夜、綺麗だった帽子は大切なことに気が付きました。

「僕は今までに何度も何度も汚い帽子にひどいことを言っていた…」

「僕は汚い帽子の気持ちをちゃんと考えられていなかった…」

「あぁ、神様…愚かな僕のお願いを、どうか一つだけ叶えてください…」



「汚い帽子に謝らせてください………」



そう言うと月の光が少し、まばゆく光った気がしました。



綺麗だった帽子は、今日も売れずにお店に並んでいます。

「今日も売れないか…汚い帽子に本当にひどいことをしてしまったな…」


ガチャッ…


その時、店の扉が開き

いつかの、おじいさんのお客さんが入ってきました。

そして、おじいさんは店の人にこう言いました。

「えぇ、この前買ったあの帽子ですよ。いやぁ、久しぶりに直しがいのある帽子でしたわい。」

あのおじいさんは汚い帽子を直す仕立て屋さんだったのです。

綺麗だった帽子は人の言葉がわかりません。

でも、汚い帽子のことを話しているということは分かりました。

そして、

おじいさんは綺麗だった帽子の前に来ると、

「この帽子をくださいな。」

綺麗だった帽子はおじいさんに買われました。

そして、おじいさんが綺麗だった帽子を家に買って帰ると…

そこには汚い帽子がいました。

でも今は汚くなんてなく、
綺麗になっています。

綺麗だった帽子は綺麗になった帽子を見ると、

「今まで、本当にひどいことを言ってしまってすみませんでした!ごめんなさい!」

すぐに謝りました。

綺麗になった帽子は少し綺麗だった帽子を見てから
下を向いて恥ずかしそうに
「俺も悪かったよ…君に八つ当たりしてしまって」

二人は仲直りしました。

「さぁ、腕が鳴るわい!」

おじいさんは、さっそく綺麗だった帽子を綺麗に直し始めました。

それから、綺麗になった帽子達は仲良く暮らしましたとさ…



おしまい