こんにちは、呂芸ブログ中の人です。
そろそろ節分ですね、そんな時期にふさわしい大正期の男性襦袢のご案内です!
正絹地に豆まきのモチーフが大胆な構図で描かれております。襟にかけて額のような目的で升を描いておりますね。これは「福は内」の内を意図とした描写であり背景も暖色で染められ明るい雰囲気を演出しております。
その中からおかめさんが外に向かって豆まきをし裾あたりに散らされた鬼を払っております。まさに「鬼は外~!」ですね。
おかめさんはお多福さんとも呼ばれておりますが、古来より太った福々しい体躯の女性は災厄からの魔除けになると信仰されており、ある種の美人画の意味合いで用いられる吉祥の象徴でもあります。
それにしましても見事な手描の友禅です。生え際の一本一本の描き方はまさに日本画の美人画に見られる繊細な描写です。江戸時代の美人画ですと浮世絵の毛割が有名ですが、肉筆画、しかも友禅に仕立ててしまうのですから並みの技量ではございません。
そしておかめさんが投げた豆から必死に逃げる鬼がユーモラスに描かれております。
鬼の描き方もあきらかに日本画の絵師によるものです。狩野派を彷彿させる作行で、どこかに落款があるのではないかと思い探してみましたが残念ながら無銘でした。
無銘ですが図案の構成力と繊細な画力は大変魅力的かつ男性的な襦袢の傑作と申し上げても過言ではないでしょう。
現在店頭にて展示しております。ご興味がございましたらお問合せくださいませ。
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