こんにちは、「杉並区で骨董品古布販売/骨董品古布はぎれ買取 呂芸」ブログ中の人です('ω')ノ
今回は金襴地・江戸期・帯(古布)販売のご案内です。
現在の和装において帯の位置付けは極めて重要なファクターですが古い時代においては細い紐のようなものを腰に締め衣服の乱れなどを防ぐための実用的用途で用いられていたようです。
小袖が定着した室町時代末期から江戸時代初期の帯巾はおよそ10㎝・3寸、二つ折りにして中に紙などを入れ芯にしたものでした。
また江戸時代初期は名護屋帯と呼ばれる、両端に房を付けた丸打ちの紐が遊女達の夏の装いが発端となり流行しました。
江戸時代は装飾としての帯が一気に花開く時代でもあります。寛文・元禄と時代が進むと江戸初期より広い巾の帯が締められるようになっていきます。寛文・元禄といえば小袖も豪華絢爛な意匠へと変化していく時代でもあり、この時期こそ和装のターニングポイントと言えます。
巾の広い帯を使い始めたのは遊女達でその巾はおよそ18㎝から22㎝・5寸~6寸と言われておりますから今の帯に比べてもまだ欲しかったことがわかります。
しかし当時の遊女は時代のトレンドを作るファッションリーダー的存在でもありました。
また役者という、もう一方のファッションリーダーの存在も忘れてはいけません。延宝時代の女形歌舞伎役者、上村吉弥(繭)が舞台で巾の広い帯を使い一気に流行しました。
上村吉弥(繭)は京都祇園で花見に行く女性の帯の巾と結び方をヒントにし、帯を広く長くし両端に鉛を入れだらりと垂らした「吉弥結び」で舞台に立ち喝采を浴び、ここから巾の広い帯が世間で認知されたと考えられております。
この江戸前期の帯風俗における革命こそ、女性の着物姿の方向を決定づけたと言っても過言ではないでしょう。
帯巾が現在のようなほぼ均一の巾となったのは明治以降のことで、それまでは着る人の腰の大小や背丈によって帯巾を変えていたと研究報告がされておりますが、私もこの説明は理にかなったものだと思います。
着物も身丈や裄を個々人に合わせバランスをとるのに帯だけほぼ一定なことは着物というものが美意識より形式に囚われているからではないでしょうか。
帯は洋服のベルトではなく着物との相乗効果で高め合うW主役なのですから。
金襴とは綾・繻子などの地に金糸の緯糸で模様を織り出した豪華絢爛」な織物です。
渡りの金襴は桃山時代の茶道において名物裂として茶人や大名に珍重されました。この他にも掛軸の表具や僧侶の袈裟、また日本伝統芸能の能装束でも用いられました。
唐花文様でしょうか、飛鳥時代に伝来した花の文様は当時の人々にとっても未知の花で何の花かわからず「唐」という字を当てたとも考えられております。
それ故に唐花文様は他の自然植物をモチーフにしたものとは一線を画すものであり、宝飾の要素が強く意匠化されたものとも言え、今現在でも帯などによく用いられております。
帯巾も細めですので江戸後期~は時代のある帯ですが金糸の乱れも見られず非常によいコンディションを保っております。
それでいてさらりとしていてゴワつかず、品と格と使い心地を兼ね備えたひと品と言えるでしょう。
今の帯の巾はなんとなく広くて合わないと感じておられる方にもお薦めの逸品です。
現在店頭にて販売させていただいております。
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