御首題を頂いたあと、五重塔に向かった。
ここの五重塔は重要文化財に指定され、江戸期以前のものでは関東で一番古いらしい。
ぱっと浮かぶところでは、上野寛永寺の五重塔よりも古く、私の大好きな総社市にある備中国分寺の塔よりも古いものだ。
法隆寺や東寺に見られるような、重厚な建築というよりほっそりとした感じ、全体に塗られる朱色がいい味を出している。
徳川2代将軍時代のものらしいが、先の戦災で東京は多くのものを失っていることを考えると奇跡だ。
寺を参拝する時、御朱印や御首題をもらう目的の他に
仏像や寺の宝物、そして建築物と楽しめるところはいくらでもある。
もっと範囲を拡げれば、墓や廟をみるのも趣がある。
五重塔に向かう途中、ここにも規模の大きな墓所がある。
谷中の雰囲気を感じるが、ここで衝撃的なものをみることになった。
規模は小さいが綺麗な桜並木
その桜の古木1本が傾いていた。
どんな木も根っこは大事だが、特に桜は根元を踏みつけると木が死んでしまうと言われる。
桜は、大きく根を張る木なので、本来花見などは木の根元は厳禁だが・・・
ここの桜は、場所が場所だけにその様な荒らされ方はしないと思うが
道の関係で、根元までアスファルトで覆われている。
傾いた木の根をみると、予想以上に小さいことが判る。
もっと大きく根が張るべきだろうが、この様な窮屈な状態では、他の木も同様の結果を招く危険がある。
一歩墓所に入ると、もっと深刻な木が倒れていた。
なんというか、ここも木の大きさから考えると根の張りが小さい。
明らかに、根が弱ったため、今回の台風に耐えられなかったのだろう。