那智駅から那智大社へあがる道のほぼ曲がり角にある。
往路ですでに確認はしていたが、御朱印時間を考え那智大社参拝後に訪れることにした。
観光寺ではないので、見落としがちだが
なかなかの寺だった。
堂内は熊野三山の1つとして登録され、大変由緒のある寺だと判る。
本堂には自由に入ることが出来
我々が入った時は、住職は多分奥で電話中だった。
堂内を手を合わせながら参拝していると
住職が戻ってこられ、御朱印をおねがいした。
自由に参拝できる仏像は、持国天と広目天だが
どちらも平安期の素晴らしいものだ。
ご本尊は、厨子が閉じられ、写真が飾ってあった。
保存状態の良い千手観音の様だ。
ご朱印をもらいながら、ご本尊の開帳タイミングを聞いてみると
一人500円支払えば、今扉を開けてくれるとのことで、これはまたとない機会なのでおねがいした。
写真と同様に素晴らしい仏像だった。
しかし写真とは印象が大きく違う。
これは、撮影ポイントの違いからだ。写真は多分仏像の胸ぐらいの高さから撮っているが
実際は見上げる感じで拝む、そこに大きな違いが出る。
目の表情が下から見上げる方が優しい。
この状況は、寺で売られる絵葉書に良く見られる、実際はこんな雰囲気ではないなあ・・・と家に戻って
お土産の絵葉書をみて感じる。これは撮影角度の違いからくる見え方の違いだ。
リアルに拘る土門拳氏の写真は、絵葉書と違う。
参拝者目線で撮影しているので、彼の写真と実物とに違和感がないのはこのためだと思う。
そんなことを思いながら、千手観音に手を合わす。
この観音さんの変わったところは、頭上に載せられる仏様の位置、11面なのだが
2つは耳の後ろ側に付けられている。
これは滋賀県渡岸寺の仏像にあるスタイルと大変似ている。
まさか、秘仏まで見れるとは、大満足だった。
この寺には、4つの鳥居乗せた渡海船や
横には、熊野三所大神社が鎮座する
熊野那智大社の末社であり、その昔九十九王子のひとつである浜の宮王子の社跡にたつ
浜の宮大神社として、今日では祀られているこちらも大変由緒のある神社だった。