雑多に重ねてあるDVDの中からこの「ベニスに死す」を見つけた。
巨匠ビスコンティ監督の傑作の1つと言われているが
正直ストーリーはシンブルだけど、難解なのことも確か
でも、ここで流れるマーラーの交響曲第5番第4楽章のアダージェットはとても心に滲みる。
この映画を始めて見たのはいつだったか忘れてしまったが
トーマス・マンの原作(新潮社)を読んでからだった、
映画を見て原作が色々とかわっているのに驚いた。
でも、話の本質は損なわれるどころか、主人公の職業が作家から音楽家に変更したことで
より主人公のグスタフが、マーラーに見えてきて、私は映画に見入ってしまった。
DVDジャケットでは、随分おじさんに見えるダーク・ボガートも、映画の始めではとジョニー・デップっぽくも見える。
帽子とメガネの印象からだと思うけどね。
この映画は、開始のベニスのシーン、
船に揺られる多分早朝のイメージとアダージェットの音楽がなんとも言えない雰囲気を醸し出している。
まだ話がなにも始まらないのに、妙に感動してしまう。
グスタフが心惹かれる美少年:タージオ役のアンドルセンも
からだの線が細く、これぞ美少年って感じで、原作のイメージを崩していない。
そんなベニスに死すの映像をみていたら
また原作を読みたくなって、本棚を探しでも出てこず、多分実家だな・・・・
なので新しく買ってしまった。
完全に映画を意識している表紙になっている。
昔読んだのが新潮社版だったけど、今度は集英社
訳者が違うと、なんとなく本の雰囲気も変わるのかな・・・
なんとなく、読みづらい。
トーマス・マンって、言い方が悪いと・・・とても口説い表現で文章を書くので、読み慣れないとなかなか物語に入っていけないが
新潮社の時はそうじゃなかったなあ・・・・とちょっと驚いている。
今度読み比べてみよう・・・
この映画を決定づけたのは、挿入される曲のマーラーのアダージェットだが
これは、90年代
アダージョ・カラヤンの1曲目に採用されていた曲だった。
あまりクラッシクっく音楽を聴かないかみさんも、子供がお腹にいるとき、良く聴いていたので
この映画をみながら懐かしがっていたが
映画の内容が少々難解なため、映画の印象が大変悪かった。
やっぱり名作と呼ばれる映画は、いつ見てもいい・・・