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トスカニーニ ―生涯と芸術―
H・タウブマン著 渡辺暁雄訳1966年初版


トスカニーニが私にとってまだ伝説の人だった時、音楽の教科書にはプッチーニの「トゥーランドット」の初演者として名前が出ていて、凄いと思っていました。
近所のレコード屋でも彼の演奏はあまり置いていなくて、態々秋葉原の石丸電気まで行って、ローマの松、イタリアやベートーベンの英雄を買うのが精一杯だった時、神保町の三省堂でこの本を見つけました。
当時、作曲家の自伝は結構出版されていましたが、指揮者となると「カラヤン」か「フルトヴェングラー」ぐらいしか置いていませんでしたね。

トスカニーニの幼い頃のことや、有名なアイーダの演奏そして曲の解釈など、これを読んでトスカニーニをより好きになりましたね。
また巻末に付録されていたディスコグラフィーを見ては、こんな曲も演奏しているんだと感動していました。
今の様にネットが無かったので、本当に情報が少なかった。
特に学生の身では、月刊誌に特集でもされていないとそれ以外の情報は集められなかった時代です。

後年、この本をよりグレードアップした「トスカニーニ その芸術と生涯 諸石幸生著」が発売され、こちらの方が全ての面で充実しているので、影が薄くなってしまいましたが、自宅の本棚で偶然見つけ懐かしくなりました。よくよく見ると、指揮者界の重鎮 渡辺暁雄氏が翻訳していたのも改めて驚きました。