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この曲の名盤は昔からミンシュと言われていますね。
私も素晴らしいと思うし実際所有しています。でも、オルガン付きと言っていながらミンシュだけが目立ってしまいオルガニストは??

そう言う視点で考えると、別の見方も出来ますね。
そんな演奏で私が好きなのは、カラヤン指揮のものです。

オルガンは、フランスの名オルガニストピエール・コシュロー(ピエール・ウジェーヌ・シャルル・コシュロー)が弾いています。

私は、以前より彼の即興演奏が好きでした。そんな時に、カラヤンと競演するディスクが発売になると聞いて飛びつきました。

コシュローは、ご存知の通りパリ・ノートルダム大聖堂の主席オルガニストです。有名なレオンス・ド・サン=マルタンの後任ですね。
流石コシュロー、即興的な音は無いけれど、彼のオルガン人生の集大成を感じます。
彼は1984年に急死してしまいます。

この演奏では、パイプオルガンがノートルダムと書いてあったのでベルリンフィルがそこで演奏して録音したと思ったら、実際は、オケとオルガンは別撮りだったんですね、ちょっと微妙ですが、流石録音にもうるさいカラヤンだと逆に感動してしまいました。
オルガン音が異常に大きいなどの不満も囁かれた作品ですが、私は問題ないと思います。

演奏については、フランス的ではないとの批判が多いですがですが、私は気に入っています。
ちょっとオルガンから離れますが、曲の開始から美しいですね。ティンパニーも見事です。多分フォーグラー教授が叩いているのでしょう。

全体を通して演奏の完成度が高いこと、金管の鳴らし方も凄いし、やっぱりオルガンと一体になったフィナーレが素晴らしい、オルガンの音をベースに各楽器がはじけますがその音のバランスの良さとテンポが絶妙です。
さぞコシュローもこのテンポに気持ちよく弾いたんだと思います。
金管を中心としたベルリンフィルの物凄い音を存分に鳴られながら、オルガンも明確に主張するあたり、流石としかいえません。
この様な曲ですと、指揮者が物凄く興奮してしまってフィナーレは超加速しがちですが、カラヤンは冷静です。しっかりオケを抑えています。作曲家と曲との間に立って、いつも冷静にそのバランスを保ちながら指揮する彼のスタイルは、曲の最後にスピードを抑えることでフィナーレの圧倒的なパワーが生まれると思います。
フィナーレで息切れすることがありません、安心感があります。

この録音後、カラヤンとコシュローは1983年にベルリンで2回同曲のコンサートをしています。この実況が残っていればと残念でなりません。