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行進曲を聴くと元気になりますね。特に早朝から聴くのは目覚めにも良いようです。

カラヤンとベルリンフィルの管楽セッションで録音された「双頭の鷲の旗の下に/ドイツ名行進曲集」26曲入りの豪華な行進曲のアルバムがあります。

ヨルク行進曲、ケーニヒスグレーツ行進曲やタイケの旧友など大変馴染み深い曲が入っています。
自衛隊に代表される行進するためのメリハリのある演奏に比べ、カラヤンの演奏は、音に厚みがあり大変エレガントな、聴くための行進曲になっています。
普通の指揮者ではまずこのようなアルバムの発売は無理・・・、カラヤンならではの一枚だと思います。

さて、このディスクの最後の曲に「ニーベルンゲン行進曲」が収録されています。
この曲は、ゴットフリート・ゾンタークが作曲したものですが、曲のモチーフはワーグナーの「ニーベルングの指輪」の旋律を繋ぎ合わせたものです。ナチスドイツ時代にナチス党大会の党旗入場・閉幕時に演奏された経緯から、戦後あまり演奏されなくなった曲です。ベースがワーグナーですから、馴染み易い曲なのですが、その背景からナチス色が強いため迫害されている様です。でもこんな悲劇の曲をカラヤンは良く録音してくれたと、思います。彼も悲劇の歴史があっただけに発売当時は色々と非難もあったことでしょうね。

これと同じ境遇に「バーデンヴァイラー行進曲」という曲があります。
名前からはイメージが沸かないと思いますが、ヒトラーのメインテーマと言えば思い出すでしょう。色々な記録映画に必ず挿入されている曲です。
この曲は、ドイツの軍楽隊長のゲオルク・フュルストによって作曲されました。第1次世界大戦にフュルストが所属する歩兵連隊の勝利を称えた曲として作られたのですが、ナチスドイツ時代にヒトラーメインテーマとして演奏されたことで、まるで彼のために作ったと誤解されてしまった・・・…これまた悲劇の行進曲です。

過去の暗い歴史はあるものの、この2曲は大変素晴らしい行進曲なので一日も早く負の遺産を払拭して貰いたいですね。

西洋軍歌蒐集館「http://rasiel.web.infoseek.co.jp/index.html」と言う大変興味深いサイトを立ち上げている方がおられ、私はこのサイトで色々勉強させて頂きました。

ナチスドイツに代表されるプロパガンダの一環で、精神の高揚のために悪い意味で音楽を多用しました。純粋に音楽だけに耳を傾けると音楽に歴史のあるドイツですから名曲が多いのですが・・・・これはドイツに限ってではありません他の国も同様です。

これらは大変難しい問題で、特にヨーロッパではタブー視される内容ですが、この様な名曲を負の遺産として消滅することだけは絶対に避けたいですね。
その様な意味でも氏のHPを一度覗いてみて、色々な曲を聴いてみることをお奨めします。