ギャンブルを辞めようってなってからは、案外サクサクことが進んだ。

肝心の就職活動、これに関しては実は僕はまったく苦労せずに内定がもらえた。

具体的にはエントリーしたのは4社くらい、面接は3回くらいしか受けず、しかも全部落ちた。

結局最後は学校推薦で優良企業から内定をもらえた。むしろその予定だったから自由応募には全然力が入ってないったらありゃしない。でもそれはうちの大学が恵まれていたから。周りの友人もこんな感じで超優良企業から内定をもらってる。正直、就職活動の思い出なんてこれだけしかないや。苦労されている、そうだった人からするとむちゃくちゃ恨まれそうだけど。

内定をもらったのは大学OBもたくさん勤める財閥系の会社だ。僕みたいな器の人間が入ってよいのか正直疑わしい。まぁこれは来年以降の問題だし、考えてもしょうがないかな。


就職活動が終わったあとの僕は、すごく腑抜けだった。きっと全国の大学生のみんながそうなんだろうけど。父や兄にも連絡したけど、あっそって感じだった。

もちろんその後、いわゆる内定ブルーの症状も出た。この企業でよかったのかなぁって考える。売り上げ2兆で、財閥系同士で株をガチガチに固めた超優良企業なんだけど、いかんせんネームバリューが無い。だから人に「どの会社に行くの?」って聞かれて「○○(内定先の企業)です」って答えても、ふ~んとしか言われない(笑)。人間って貪欲な生き物で、せっかく希望した企業から内定をもらったのに少し不満に感じる。まぁ2、3週間もしたら慣れたけど。


その後、普段の生活に引き戻されたのは、僕の先生のおかげだ。先生は凄く優秀で、僕は生まれてこの方、こんなにも頭の良い人には出会ったことが無い。凄く尊敬している。その先生が今年はすごくやる気を出している。「毎週発表してね」って、さらって言い出した。みんな「マジで~」って言ってたけど、僕は実は少し助かっている。修論の見通しが立てやすくて凄くやりやすい。

だから僕にしては珍しくコツコツと研究を進める日々が続いた。


ところでギャンブルについては・・・まぁたまにパチンコ屋に行きたくなることが何回かあった。研究室の後輩もよくパチンコ打つんだけど、ついついその話になっちゃう。でもなんとか凌いでたんだ。自分に言い聞かせて、もうあの苦しみは味わいたくないって。ほんとギリギリで耐えていた。

そんなある日曜日、彼女が予定があったみたいで昼過ぎくらいに別れた。多分2時過ぎくらいだったかな。僕は空いた時間に髪を切りにいこうと思って電車に乗った。なんだかちょっとパチンコ打ちたいなぁってぼーっと考えながら。


美容院は電車で二駅のところにある。美容室の担当の人はもう何年も切ってもらってる。彼女もこの美容師さんに切ってもらっていて、お互いのことを知っている、っていうか板ばさみだ(笑)僕はこの美容師さんに、彼女についての男同士の相談を持ちかけたりする。彼女も彼女でいろいろ相談してるみたいだが。

その日もたわいも無い会話をしながら髪をすっきり切ってもらって、すごく満足したのを覚えている。アシンメトリーにしてもらったんだっけな。ちょっと恥ずかしい。けどオシャレになれたかもって少しウキウキした。


んでその帰り道、僕は、やっぱり、パチンコを打ちたくなっていた。

あーっやっばいなぁってすごく思った。駅に向かう途中はほんとフラフラしていた。

僕はなんだか逃げ出したくなった。それでネットカフェに逃げ込んだ。

すごくぼろいネカフェだった。でもとにかく時間をつぶそうと思って2時間利用で入った。

そしたら少し落ち着くことができた。パソコンに電源を入れて、いつものように2ちゃんねるにつなぎ、禁パチスレを読み流して我に返った。


でもそのとき、ほんとーに何気ない感じで、あるバナーが目に留まった。それは出会い系サイト。

僕が高校生のとき、iモードなんて言葉が広がり始めた頃から未だに存在してる。気になったのなんてそれ以来だ。確かにみんなスタービーチとかやってたっけ。男も女もあほ丸出しだったけど(笑)出会い系だなんて犯罪の温床だし、ネットの初心者たちが平気で顔を晒してるくだらないモンだって思ってたのに、そのときはきっと心が弱ってたのかな。ぼーっとそのサイトを覗いてみた。


ほんの4ヶ月前、僕はパチスロにはまっていた。

でも大学生がギャンブルにはまってしまうだなんて、全然珍しい話じゃない。

なんたって僕が大学一年生のときに、あの「北斗の拳」が発表されて、

ギャンブラーのみんながバトルボーナスに一喜一憂していた時代だ。


でも僕はちょっと勝手が違う。僕がパチスロに手を出したのはそれから5年後、

もう「押忍!番町」すら撤去され、パチスロの未来が杞憂され始めた頃だ。

でも僕は、パチスロで勝ってしまったんだ。すごくはした金だったけど。


その後パチスロはご存知の通り、すっかり生気を無くしてしまう。

そもそも4号機なんてパチスロ狂乱の時代だよ。だからって法律が変わって狂乱が収まったわけじゃない。

ご多分に漏れず、僕はすっかり負け組に転落していた。もう周りはパチスロ自体に見切りをつけ始めていた。


パチスロにはまったことのある人ならばみんな思うんだろうけど、

パチスロは「打ち方や立ち回りが分かれば勝ててしまう」。「期待値を追っかければいずれプラスになる」。なーんて考える。だからいつまで経ってもやめられない。


僕が本気でパチスロをやめようと考えたのは、就職活動が本格的に始まる頃だったと思う。そのときの僕は目も当てられないほど悲惨だった。

目の下はクマだらけ、おでこは肌荒れでボコボコ。

何よりも、付き合っている彼女に対して息をするように嘘を吐いてた。


そんな自分に嫌気が差し始めた。

ってか表情が悪すぎてまともな就活用の写真すらとれないんじゃないかって。

自分の将来を本気で憂いでた、あの時は。


彼女とはもう5年近くの付き合いになる。大学に入ってすぐ付き合い始めた。2コ上の先輩だ。大学院も行ったから彼女は今社会人2年目、僕は修士2年。

お互いこんなに長く続くと思わなかったってよく笑う。それもそうだ、僕だって大学生のうちはいろんな女の子と付き合ったり、合コンとか行くもんだと思っていたよ。

でも自分でもびっくりするぐらい彼女とはウマが合う。長く付き合ってるけど浮気なんて考えたこともない。一回だけ後輩の付き合いで合コンに行ったけど(笑)これは彼女には秘密だ。まぁきっと彼女にも僕にいえないような秘密のひとつやふたつはあるだろう。詮索する気もないし。



こんな感じに、彼女のことを彼氏目線じゃなく一人の人間として目に映すようになったのは、付き合って3年ぐらい経った頃からかな。きっと長く付き合っている人はこうして恋愛関係だけじゃなくて、「ドメスティックな関係」って思っている人は多いと思う。

でも彼女のことをセクシーに思うことだって多々ある。欲情してドキドキしながら激しく抱くことも。でもこういう感情があるから付き合っていけるんだろうって思う。まだまだセックスレスにはなりたくないなぁ。


何はともあれ僕にとって彼女の存在は僕にとってものすごく大きい。いい女だなぁって良く思う。そんな彼女を僕は裏切りかけていた。

彼女は僕のやることにあまり反対をしない。何事も最終的には彼女にとって満足行くような方向になることが多いからだ。これも僕と彼女の信頼関係の賜物だと思う。

けれどギャンブルだけは、確実に身を滅ぼすって思ったんだ。彼女はいつもの感じでギャンブルにすら反対しなかったけど。

けれど僕の心の荒廃は彼女の思っている以上だったと思う。

ついに彼女もなんとなく気配を感じ始めた。ちょっと様子がおかしいなぁって。

だからやめる、やめたくなったんだ。

自分のためにも、彼女のためにも・・・




画像はケツメイシの名曲「涙」のジャケット。


ちょっといろいろあって昨晩涙を流しました。


ある出会いがきっかけです。


ちょっと日記で書いてみようと思います。