ほんの4ヶ月前、僕はパチスロにはまっていた。
でも大学生がギャンブルにはまってしまうだなんて、全然珍しい話じゃない。
なんたって僕が大学一年生のときに、あの「北斗の拳」が発表されて、
ギャンブラーのみんながバトルボーナスに一喜一憂していた時代だ。
でも僕はちょっと勝手が違う。僕がパチスロに手を出したのはそれから5年後、
もう「押忍!番町」すら撤去され、パチスロの未来が杞憂され始めた頃だ。
でも僕は、パチスロで勝ってしまったんだ。すごくはした金だったけど。
その後パチスロはご存知の通り、すっかり生気を無くしてしまう。
そもそも4号機なんてパチスロ狂乱の時代だよ。だからって法律が変わって狂乱が収まったわけじゃない。
ご多分に漏れず、僕はすっかり負け組に転落していた。もう周りはパチスロ自体に見切りをつけ始めていた。
パチスロにはまったことのある人ならばみんな思うんだろうけど、
パチスロは「打ち方や立ち回りが分かれば勝ててしまう」。「期待値を追っかければいずれプラスになる」。なーんて考える。だからいつまで経ってもやめられない。
僕が本気でパチスロをやめようと考えたのは、就職活動が本格的に始まる頃だったと思う。そのときの僕は目も当てられないほど悲惨だった。
目の下はクマだらけ、おでこは肌荒れでボコボコ。
何よりも、付き合っている彼女に対して息をするように嘘を吐いてた。
そんな自分に嫌気が差し始めた。
ってか表情が悪すぎてまともな就活用の写真すらとれないんじゃないかって。
自分の将来を本気で憂いでた、あの時は。
彼女とはもう5年近くの付き合いになる。大学に入ってすぐ付き合い始めた。2コ上の先輩だ。大学院も行ったから彼女は今社会人2年目、僕は修士2年。
お互いこんなに長く続くと思わなかったってよく笑う。それもそうだ、僕だって大学生のうちはいろんな女の子と付き合ったり、合コンとか行くもんだと思っていたよ。
でも自分でもびっくりするぐらい彼女とはウマが合う。長く付き合ってるけど浮気なんて考えたこともない。一回だけ後輩の付き合いで合コンに行ったけど(笑)これは彼女には秘密だ。まぁきっと彼女にも僕にいえないような秘密のひとつやふたつはあるだろう。詮索する気もないし。
こんな感じに、彼女のことを彼氏目線じゃなく一人の人間として目に映すようになったのは、付き合って3年ぐらい経った頃からかな。きっと長く付き合っている人はこうして恋愛関係だけじゃなくて、「ドメスティックな関係」って思っている人は多いと思う。
でも彼女のことをセクシーに思うことだって多々ある。欲情してドキドキしながら激しく抱くことも。でもこういう感情があるから付き合っていけるんだろうって思う。まだまだセックスレスにはなりたくないなぁ。
何はともあれ僕にとって彼女の存在は僕にとってものすごく大きい。いい女だなぁって良く思う。そんな彼女を僕は裏切りかけていた。
彼女は僕のやることにあまり反対をしない。何事も最終的には彼女にとって満足行くような方向になることが多いからだ。これも僕と彼女の信頼関係の賜物だと思う。
けれどギャンブルだけは、確実に身を滅ぼすって思ったんだ。彼女はいつもの感じでギャンブルにすら反対しなかったけど。
けれど僕の心の荒廃は彼女の思っている以上だったと思う。
ついに彼女もなんとなく気配を感じ始めた。ちょっと様子がおかしいなぁって。
だからやめる、やめたくなったんだ。
自分のためにも、彼女のためにも・・・