林真理子さんの新刊が出た。
「李王家の縁談」。
書店で見た瞬間、買った。
林真理子作品のファンだ。
最初は、雑誌「an・an」に連載のエッセイのファン。
当時、世はバブル。
彼女の文章から、
自分には全く縁のない、
都会のど真ん中の、
また、バブルの恩恵をくまなく享受する職業の人の
暮らしぶりを読んで
自分に起こることのないことを
想像するのが好きだった。
そんなある日、書店で
歌人・柳原白蓮の生涯を描いた
「白蓮れんれん」を手に取ってから、
彼女の作品のファンになった。
林真理子作品のなかでも、
「正妻 慶喜と美賀子」
「六条御息所 源氏がたり」
「白蓮れんれん」
など、
歴史上の人物を取り扱った題材が特に好き。
※六条御息所は、実在はしませんが。。。
いずれも
高貴なお生まれの女性の「心の葛藤」の描き方に心惹かれる。
いやいや、女というものは、
時たま、自分を「高貴な生まれ」とか妄想し、
自分の身に起こることのない葛藤に胸を苦しくさせることで、
日々、自分の頭を悩ます葛藤からいっときでも、逃れようとするのかな。
高貴な生まれの女性の葛藤を描くといえば、「源氏物語」。
林真理子さん自身、大変な才能の持ち主でありながら、
その才能に溺れず、
素晴らしい作品を作り出す努力を怠らない一方で、
変によい人ぶらない、少し癖のある人柄も垣間見せる。
紫式部とは、実はこんな人ではなかったのかな、と思う時がある。
今回の新刊も、ちょっと読んだだけで、もう止まらない。