2020年本屋大賞2位の作品「ライオンのおやつ」
最初題名を見た時、一体なんの物語かと思いました。
読み進めていくうちに、この題名の意味がわかります。
著者である小川糸さんの作品は、結構好きでよく読みます。
昨日、図書館で借りた「ライオンのおやつ」を一挙に読みました。
以降、ネタバレです。
末期がんの女性“海野雫さん”が主人公の物語。
自身の最後を瀬戸内に浮かぶ檸檬が美味しい島のホスピス施設「ライオンの家」を選択する。
島で待ち受けているのは「マドンナ」と呼ばれる何事にも動じず、受け入れてくれる優しい女性。
瀬戸内の美しい海とライオンの家で飼われている六花「犬」また島で葡萄畑を管理するタヒチ青年等と交わることで、自身の生死をもがきながらも徐々に受け入れていく雫さん。
彼女がライオンの家で楽しみにしているのが、毎日曜日に行われるおやつの時間。
人は誰しもが、自身にとっての思い出のおやつを持っている
死ぬ前にあなたが一番食べたいおやつはなんですか。
このおやつによって、雫さんに思いがけない幸せな最期が訪れます。
大好きだったお父さん、そして突如現れた妹の存在、そんな優しい方々に見守られながら、雫さんは旅立っていかれます。
大の大人が涙を零しながら読みました。
名作です。