読解力をつけたいと思っている学生さんまたは、生徒にどう教えたらいいのかと試案している先生方は少なくないと思います。そこで、私が今勉強中のある方法を紹介します。

Annotation/Annotateという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

日本語に訳すと「注釈/解説する」となりますが、ここで紹介するAnnotationは「読解力を養う」→「内容についてのエッセイやサマリーを書く」ことを目的とした、学習方法の一つです。

アメリカの学校では、読解力をつける目的は問題を解くためではなく、内容を分析した上で、自分の見解を示したり、情報を公開したり、議論することにあります。内容の理解と同時に、それは自分とどう繋がり、他人にどう伝えるかなどの力を養おうとしています。そしてこのスキルこそ、社会に出た時の実践力となると信じられています。

現在、この方法を息子は中学校のESLクラスで、娘は高校の理科や社会など読む量が多く理解度が重要なクラスで実践しているようです。子供達からこの学習法を聞き、調べてみたところ、英語力のレベルにかかわらず、英文読解力をつける上でも応用できるのではと思いました。

簡単に説明すると、

<Annotationの4つのポイント>

文章を読みながら、
1.簡略的な記号を記していく。
  <例えば>
   ― 重要な語句や節に下線をひく Mark IMPORTANT WORDS/PHRASES
   ○ 知らない語彙に丸を記す   Circle UNFAMILIAR WORDS
   ? 理解が出来ない語句や節に?を記す Question mark by WORDS/PHRASES YOU DON’T
     UNDERSTAND
   ! 驚いたこと、驚嘆したことに!を記す Exclamation mark by WORDS/PHRASES THAT
     SURPRISE
   = テーマ(テーマと思える)部分に二重線を引く Double line under the MAIN IDEA
   ∞ 自分との繋がりが思いつく部分に∞を記す  Made a connection

ビックリマーク更にここからが大事
2.欄外に短いコメント、感想、疑問をメモする
3.自分との繋がり(同じような経験、聞いた話)などをメモする

読み終えた後、
4.自分のメモを読み返し、疑問点を解決し、タイトルの意味、結果や結論を考える

(注1)―  重要語句や節を見分ける方法の一つは、繰り返し出てるくまたは、単語は違うけれど意味が似ている言葉や節に注目
(注2)○  Unfamiliar wordsはその場で辞書を引き、この場で当てはまる意味を調べる。

Annotationは以前に紹介した読解学習の一つ、多読方法とは正反対の学習方法ともいえます。
多読の目的は、楽しく、沢山の本を読み、継続すること。
Annotationの目的は、じっくり内容を読み、後に結論を書くことにあります。
特にこの学習方法は、教科書、新聞雑誌記事、リサーチなどの文献を読むときなどに向いていると思います。

一見難しく思えますが、まずは記しをつけるだけでも、試してみる価値はありそうです。

<実例>