デ・キリコ展












ジョルジョ・デ・キリコ


歪んだ遠近法、幻想的な雰囲気

日常の奥に潜む非日常を表した絵画を描いた。




ミュンヘン滞在時代にニーチェの哲学や

ベックリンの作品から影響を受け、

イタリア絵画における、絵画様式として

形而上(けいじじょう)絵画を生み出し提唱した。




形而上とは、

1 形をもっていないもの

2 哲学で、時間・空間の形式を制約とする感性を

 介した経験によっては認識できないもの

 超自然的、理念的なもの



前回、ご紹介しましたシュルレアリスムの先駆け

とされ、多くの画家に影響を与えた。




夢のイメージにも似た歪んだ

遠近法や空間性が強調され非現実化してゆく



伝統的な絵画技法にも興味を抱くようになり、

古典絵画の様式へと回帰してゆく




90歳で亡くなるまで創作を続けた

20世紀美術に衝撃を与えた

画家デ・キリコ展である。

8/29(木)までの開催

上野の東京都美術館

その後は、神戸市立博物館

2024年9月14日[土]~12月8日[日]





私好みで作品紹介


《不安を与えるミューズたち》 1916-18年


第一次世界大戦時にデ・キリコが軍役で

イタリアのフェラーラに滞在していたときに

制作された。



背景の城はエステンセ城

ミューズの近くの赤い仮面や積み木などは

古代ギリシャ神話のミューズである

メルポメネやタリアである。


後景の台座の彫像に立っているのは

アポロと言われている。



この絵は第一次世界大戦の不安を表している

と言われ、後ろのアポロは不安気に見ているが、

これは鑑賞者やキリコ自身を表しているのでは

ないだろうか?



絵のタイトルはシルヴィア・プラスの詩

「不安を与えるミューズ」から着想を得ている。



なぜマネキンか?

見るものに戸惑いと無力感を与える



戦争の残虐性と愚かさが

初期の形而上の古代性を損なわせた。

生の無意味の表現か?



この絵のマグネットをお土産にしました。





《オデュッセウスの帰還》 1968年

今回、この絵と下の絵が私の一番のお気に入り





鎧とスイカ  1924年

時間の超越

前衛芸術の現代性・同時代性に対して

無時間性を表現


絵画鑑賞は自由ですべて正解

上の二つの絵画に私はぴぴっート❗️きました。


刺激を受けた絵から何を感じ、

どうイメージするか? 想像するか?



あなたも、

キリコ展でお気に入りを見つけてください!





《形而上的なミューズたち》  1918年






《バラ色の塔のあるイタリア広場》 1934年






《イタリア広場(詩人の記念碑)》 1969年






《「ダヴィデ」の手がある形而上的室内》1968年






横たわって水浴する女/アルクメネの休息 1932






《燃えつきた太陽のある形而上的室内》 1971年






《谷間の家具》  1927年





城への帰還   1969時






《福音書的な静物Ⅰ》 1916年






《オイディプスとスフィンクス》  1968年






《予言者》    1914-15年





《瞑想する人》   1971年






《吟遊詩人》 1970年、ブロンズ
















新しい発見はありましたか⁉️



感動は財産だ❣️