ROCKWAVE SHAPER 岩波重之のブログ -36ページ目

今日はogoh-ogoh(オゴオゴ)です。




「silence is gold」


先ほどジャマイカがfacebookで投稿していました。

ジャマイカはバリに行く際にいつも泊まっている小さなホテルの息子。彼が生まれたときからの付き合いです。


あれ?もう3月も終わりで新月......そうか!



「Nyepinya kapan?」(ニュピはいつ?)と投げると


「Besok shige,, ntar malam ada ogoh-ogoh」(明日だよしげ、今夜はオゴオゴだよ)と。




【ニュピ】ってご存知ですか?
バリのお正月です。

この日は一日外に出てはいけません。それは旅行者も同じ。
そして出来るだけ灯りは付けません。日中は火も使いません。(宗教に熱心な人は断食します)


毎日賑やかなクタ、そしてここだけではなくバリ中から灯りが消えます。
空港も閉鎖。飛行機の発着もありません。

4泊とかで来ている旅行者からは大変人気のないこのニュピですが、僕は大好きなんですよね。


今こうしてバリにたくさんの友達が居て、何年離れても暖かく向かい入れてもらえる関係を築けたのもこのニュピがキッカケでした。今日はそんな話しを書いてみます。



あれはいつだっただろう。。もう10数年前の事です。

バリに長期で行っていて、初めてニュピを現地で過ごす事になっていました。
先ほども書いたように、短い滞在でホテルから出られないというこの祭日は旅行者からはあまり人気もなく、大手のホテルなどでは「ニュピツアー」なども用意されます。ホテルから出られないなら、大きなホテルに移動して遊べばいい。ということ。

その時は確か長期滞在だったので、1日ぼんやり過ごす事に何も問題はありませんでした。ニュピ前日、ホテルのオーナーでジャマイカのお父さんであるプトラが

「しげ、ニュピはどうする?」と聞いてきました。

話しを聞くとホテルの他の滞在者は全員1泊他所のホテルに移ると。俺はその気がなかったので

「ここに居るよ」と返しました。



「じゃぁ、僕らファミリーと過ごそう!」とプトラは喜んでくれた。



3月末~4月の新月の日に設定されるニュピ。新月ですので月明かりはありません。そして島中の灯りが付かないので、本当に真っ暗闇になります。携帯の灯りでもない限り危なくて歩けません。そしてそんな日を家族で一緒に過ごすのです。

プトラ、奥さんのコマン、プトラのお兄さんと奥さん、弟、それらの子供達。6~7人で過ごした懐かしい思い出です。僕らの付き合いはここから急速に深いものになり、今では家族同然の付き合い。両親をバリに連れて行った時にも料理を作って出迎えてくれました。





話しは1日戻ります。

ニュピが【静】であるに対し、【動】の日があります。日本で言う大晦日にあたる正月前夜のオゴオゴ(ogoh-ogoh)です。


大切な新年のスタートであるニュピに悪魔に静かにしていてもらうため、このオゴオゴでは悪魔を主人公にした演劇が繰り広げられます。

クタでいうと朝市をしている交差点です。

数ヶ月前からBanjarという村単位で男性が力を合わせて悪魔の模型を作ります。これが本当によく出来ているんですよ。



昔の写真引っ張り出してみました。



クタで行われるオゴオゴだけでも確か15とか17とかの村があったように思います。一つの村で数十分、悪魔と正義の味方、ガムランの楽器隊がセットで演劇を行います。



音声は楽器と一人の声役の男性のみ。この声役の男性は声色を変えて全ての立場を表現するのですが、全部バリ語(通常はインドネシア語で会話が多い)なのでバリの人にしか分かりません。ジャワから働きにきている友達がバリの友達に「ねぇ、なんて言ったの??」って都度聞いていたくらい。声のイメージはヤッターマンの【ドクロベイ】みたいな感じです(笑)

そして観客の数がまた凄い!!

クタ中の人が集まります。




見渡す限りこんな感じ。




こうして、さんざん悪魔さんに騒いで頂いて、ゆっくりお休みになって頂いて、ニュピと言うお正月を静かに過ごす。と言う訳ですね。



日本って正月ですら親戚揃わなかったりするじゃないですか?
仕事だの彼氏彼女と旅行だのなんだのって。

もちろんバリでもそういうのは多少あるのだろうけど、驚く程揃うこうした瞬間に神秘的な気持ちを感じてしまったのは今でも忘れられません。


ニュピの夜、プトラ達とご飯食べた写真が残っていました。
あの時食べたコマンの手料理は美味しかった。飾りっけのない本当の家庭料理でした。

この食事の後、一人真っ暗な空を眺めた事懐かしく思います。
高い空を飛ぶ飛行機、いくつもの流れ星。耳鳴りがするほどの静寂。


また早くバリに行きたいです。