うちの塾の最初の公立高校入試不合格者であるS君のケースを見ていきます。
S君は中1の10月に入塾し、高校入試までをうちの塾で過ごしました。
入塾時の志望校はA高校。偏差値55で合格率80%の高校です。
模擬試験の成績は入塾から高校入試直前までほぼ横ばい、偏差値47から53の間で推移しました。
塾内テストや授業での様子などを含めて総合的に考え、かなり早い段階から「A高校は危ないな」と思っていました。
ところが3年生の12月の三者面談でいきなりB高校の話が出てきたのです。
B高校はA高校より偏差値が4ほど高い学校です。S君が合格する可能性は0%です。今まで話題にすら上ったことはありませんでした。
「1月の模擬試験と実力テスト、私立の合否の結果を見て最終的に決める」ということでしたので、まあB高校を受けるということにはならないだろうと甘く考えていました。
1月の模擬試験は偏差値53、得点は318点。A高校も受かるかどうかわかりません。私自身は落ちるような予感がありました。
ところが、本人と保護者が出した最終的な結論は「B高校を受ける」でした。
理由は・・・
・私立高校は2校受けてどちらも合格している。公立高校に落ちても、これらの私立高校のどちらでも進学OK。
・1月の実力テストは394点、校内偏差値62を取った。担任の先生から「1月の実力テストで390点取れたらB高校を受けてもいい」と言われていた。
S君はそれまで模擬試験は260点~320点、偏差値47~53で推移していたのに対し、学校の実力テストでは330点~370点、偏差値57~61で推移していたのです。
おそらく学校の先生の判断材料はこれだけです。これだけを見れば「どうぞB高校を受けてください」となるのも無理はありません。
学習塾は入試に関して生徒の情報を学校より圧倒的に多く持っています。ですから塾と学校の見解が異なる場合はほぼ間違いなく塾の見解の方が正しいのです。
ところが保護者はこれまたほぼ間違いなく学校の先生の言うことを信じます。そのような経験を私も何度もしました。
私は元教師ですから、学校の先生を悪く言うつもりはまったくありません。
学校の先生が持っている材料が少なすぎるから学校の先生が正しい判断をするのは無理なんですと言いたいだけなんです。
このような形でそれまで築き上げてきた「100%合格」の看板が壊されることには強い衝撃を受けましたが、自分の力ではどうにもできないことであり、それ以来合格率自体はあまり気にならなくなりました。