Song for Janis

  

緋色のララ

瑠璃色のリルあおと

 

綿引の羽音が頬を撫でる

肌を擦り抜けていく途方あ

酔い潰れた道化が臆病に笑う

 

枕元のSouthern Comfort

Maybe! Maybe! Maybe!

 

空室のルル

密室のレロ

 

ノブのない扉が記憶を閉じる

皮膚を剥がれていく涙痕

甦れない慟哭が懺悔をしてる

 

灰皿のMarlboroの煙

Maybe! Maybe! Maybe!

 

 少年の詩

 

深く突き刺さった刃の傷跡を

胸の奥に閉まい込んだ

遣る瀬無さを堪え切れずに

僕らは悪さを繰り返した

 

物分かりの良さそうなしたり顔の

善人ぶった大人達が許せなかった

胸の抄くような憂さ晴らしを探して

僕らは路地裏に屯した

 

煙草を蒸かし唾を吐いた

心が渇いて酒を呷った

 

灼けつくような都会の焦燥に

消え入りそうな自分の存在

病んだ心はさらに蝕まれて

僕らは灰色に溶けていった

 

塗り固められた虚栄の果てに

噓と本当の見分けがつかなくなった

ただ徒に身を任せて

僕らは意味のない化石になった

 

言葉を失くし唄を忘れた

希みが消えて夢を捨てた

 

 水無月の雨

 

バラバラに解剖された僕の肉体

鮮血に染まって咽び泣いてる

ズタズタに引き裂かれた僕の心臓

四方に飛び散って啜り泣いてる

 

もしも僕がまだ此処にいたな

お前は僕を抱いてくれたかい?

もしも僕が消え失せたとしても

お前を憶えていてくれたかい?

 

外は激しい雨が降っている

土砂降りで水浸しになった街は

ずぶ濡れなって息を止めた

 

ボロボロに朽ち果てた僕の肉体

木乃伊になっても叫び続けてる

ギザギザに切り刻まれた僕の心臓

欠片になっても呻き続けてる

 

もしも誰かが愛してくれたなら

お前は僕を忘れてしまうのかい?

もしも誰かが必要になったなら

お前は僕を思い出してくれるかい?

 

僕は水無月の雨に打たれてる

虚しさで空っぽになった心が

雨に溺れて息を止めた

 

ロギンス&メッシーナ 「ママはダンスを踊らない」