擦れ違った心が今日も重なり合って
哀しい目をした人並に呑まれていく

繰り返す残像が昨日を引き摺りながら
靄で霞んだ街並を濁らしていく

おんなじ色をした花を見ても
それぞれの色、それぞれの花
おんなじ風の吹く街にいても
それぞれの風、それぞれの街

寂しさに化粧が施してある
悲しみは嘘で繕っている

おんなじような目をした人たちがいる
それでもけして交わることのない
それぞれの道を行くのだろう

—渕上忠平—