少し前の話になりますが、デヴィッド・リンチのドキュメンタリーを観てきました。

 

 

デヴィッド・リンチの幼年期から青年時代…『デヴィッド・リンチ:アートライフ』予告編




映画が始まると、いい感じに不安定な旋律の音響が鳴り響きます。
これから始まるリンチワールドへの誘いとして最適なサウンドです。

いいねぇ、このサントラ欲しいなぁ。

 


さて映画の内容ですが、この作品は映画監督というより、アーティストである側面にスポットを当てたようなドキュメンタリー。
主にアトリエで絵画作品を制作するリンチの姿を追いながら、幼少時~世に出るまでの逸話をリンチ本人が語るという構成です。

終始タバコを吸いながら語り、描くリンチ。

こんなに画面が煙でもくもくしている映像を見たのは久しぶりです。
また、アトリエでどう見ても孫な末娘(長女との年の差40歳以上!)をあやしながら作品を仕上げる微笑ましい姿も見られます。

 

パパ感ゼロ!




で、創作しているリンチのアート作品というのが見るからにヤバい作風で・・・リビングとか寝室には飾りたくない感じ。



『友達同士の2人』




『ラジオを持っている』

 

 

他にもトラウマ系絵画(怖いので写真貼りたくない)がわんさか登場しました。

心臓の弱い人は要注意です。

 

 


リンチはリベラルかつ模範的な両親に育まれ、父から学んだもの作りや探求心が今の自分を作り上げたことを語ります。
両親や幼少時のことを話す際の誇らしげな様子から幸せな少年時代が窺えて、この人は健全に育ったんだなあ、という感じ。

青年期には腐り方を観察するために集めた動物の屍骸や腐った果物なんかを父親に得意げに見せたりしたのも、リンチにとってはもの作りの延長だったわけで、心身共に至って健康だったのです(さすがにお父さんには「こいつヤバイぞ」と思われたそうですが)。

リンチがこういうもしかしたらヤバイ趣味をヤバイとも恥とも思わないのは、「理想的なアメリカの家庭」で育ち、両親からの教え「誠実に、正直であれ」を体現しているからではないかという気がします。

絵画や映画を見る限り相当アレな人っぽいけど、リンチほど真っ当な人はいないんじゃないかと思えてきました。

 

そして、リンチが語る幼少時から青年期に至るまでの様々な体験は彼の映画作品を読み解く鍵となっているようです。

たとえば、幼い頃に見た茂みから現れた裸の女性、学生時代に初めてマ○ファナを吸った時に高速道路で体験したこと、移り住んだ町で遭遇したおかしな住民たち・・・。

これらのエピソードは普通に言えば「トラウマ」なんだろうけど、リンチにとっては「神秘的な体験」だったわけで。

それを我々は彼が作った映画で追体験していたんだなぁと。

 

このドキュメンタリーの作りがいいなと思ったのは、それらの話にリンチの映画のシーンを重ねなかったことです。

観客それぞれが「もしかしてあのキャラクターはこのトラウマ(思い出?)が元なのかな?」と思いを馳せる楽しさ。

なのでDVDで見る際はリンチ作品を合わせてレンタルすることをお勧めします。

 

 

映画は『イレイザー・ヘッド』製作にこぎつけるまでのエピソードで終わっていて「え、これで終わり?まさかシリーズ化すんの??」って感じだったんですけど、同じ監督が手がけたドキュメンタリーは既に2作あり、今作が3部作の完結編なんだとか。

他の2作は最近のリンチを追ったもの?のようです。

えーと、つまりこれはスターウォーズでいうエピソード1ってことなんですかね。

 

監督の一人、リック・バーンズは偽名で正体を明かせない人なんですと・・・これ、クラウドファンディングで作ったんでしょう?こんな胡散臭い監督にお金託すなんて私ならやりたくない。

 

 

 

 

今日はいつにも増して散漫な文章ですが、最後にこの映画と映画に関連した情報を書き出してみます。

 

・はじめてマリファ○を吸った時に同行していたのは当時のルームメイトだったピータ・ウルフ。

後にJ・ガイルズ・バンドで有名になります。

リンチによると「ブルースに詳しかったけど、ろくに掃除もしないような奴」だったとか。

リンチがボブ・ディランのコンサートを中座したのをピーターが咎めたのがきっかけでルームシェア解消。くだらねぇ。

ちなみにピーター・ウルフは大女優フェイ・ダナウェイの元夫でもあるので、映画界には因縁がありますね。

 

 

・ついでにオリジナルの『ツイン・ピークス』や『ワイルド・アット・ハート』に出ていた女優のシェリリン・フェンはスージー・クアトロの姪です。

彼女はリンチの元カノなので、リンチもロック界には何かしら因縁がありますね、

 

 

・エンドロールで追いきれなかったサントラ情報が知りたくて、1000円位するパンフレットを購入。

しかし、知りたい情報は何も載っていなかった。

ちくしょー、金返せ!

しかも表紙を開けたら「記載間違いのお詫び」の紙がぺラッと・・・結構大きな間違いですよ、これ

 

 

・パンフにはお詫びなのかおまけなのかリンチ先生のブロマイド的なものが。

これ、誰が喜ぶの?

 

 

・サントラはジョナサン・ベンタという人が手がけているようです。

検索したらダウンロードしか出てこなかった。

レコードで発売してくれないかな。無理かな。

劇中で使われていたリンチの曲もすごく良かったんだけどサントラには未収録らしい。
動画が見つかりませんでしたが、個人的には”Sparkle Lounge Blues”が一番好みかな。

リンチのアルバムもできればレコードで欲しいけど、あるかしら。

 

David Lynch - The Night Bell With Lightning

 

David Lynch - I Have A Radio