こんにちは

またまた80年代未聴の名盤紹介です。
学生時代はロックを聴く時間を割いてきたつもりだけどさすがに年を取った今振り返ると聴いてない名盤がザクザクあります。
特に80~82年はまだ洋楽を聴いてなかったので名盤の宝庫です。
あと10作位は書きたいアルバムがあるので暫くお付き合いお願いします。

★今日のテーマは↓です★

★{80年代未聴の名盤を聴くという試み}★

◆アルバムの感想(1980年代)★
・バンド名:REO Speedwagon (REOスピードワゴン)
・アルバム名:Hi Infidelity (禁じられた夜)

・リリース日:1980年11月21日

 

 


REOスピードワゴンアメリカ イリノイ州出身のロックバンドです。
1967年に結成されてキャリア47年。しかもなんと現在も活動中です。


唯一のオリジナルメンバーであるキーボードのニール・ドーティ、全盛期からのベーシストのブルース・ホール、そして1971年からヴォーカリストとして活動しているフロントマンのケヴィン・クローニン中心に今だにアメリカ中をツアーして回っているというから驚きです。
全盛期のメンバーは脱退したり既に亡くなっている人もいるのですが、元気で精力だなぁ。

僕のREOスピードワゴン体験は1984年にリリースされた[ホイールズ・アー・ターニン(Wheels Are Turnin')]です。
このアルバムは当時大好きだったなぁ。
ノリの良い楽しい珠玉のアメリカン・ロックンロールの中に唯一ある大ヒットバラード曲の[涙のフィーリング(Can't Fight This Feeling)]が配置されているという構成も大好きでした。
LPだとB面1曲目という意表をつく配置もグッドでした。

確かにロックの革新性とは離れたところにいるバンドですが、聴いている人をこんなに幸せにできるロック・バンドを産業ロックなんて揶揄するな!と当時から思ってました。
ポップになっただけでアメリカン・ロックの良心そのものの作品で、思い入れのある曲が詰まった作品でした。

そして今回紹介するのは、古くからの洋楽ファンなら言わずもがなの彼らの代表作[Hi Infidelity]です。
ライブバンドとしては定評があってもヒット作に恵まれなかった彼らの大ブレイク・アルバムです。
彼らにとって1980年という時点で既に9作目のオリジナル・アルバムです。


Hi Infidelityとは不誠実・不貞を意味する言葉のようです。
アルバム・ジャケットは古き良き名画のように印象的です。
男性がHi-FiステレオにレコードLPを置いている間に、浮気が行われているというイラストになっているようです。(by Wikipedia)
こう考えると「禁じられた夜」という邦題も秀逸です。

僕は音楽は今だに新譜中心に聴いているので、当時もこのアルバムは聴いてなかったし、ヒット曲以外知らないんです。

アルバムはアメリカで1,000万枚という大ベストセラーとなり、海外のセトリサイトを見るとライブは半分位はこのアルバムから演奏されているようです。
古くはアメリカの家庭の一家に一枚、今やアメリカン・ロックのスタンダード盤を今更ながら聴いてみようと思います。

まずは率直なキーワードからです。

1. 1曲目から80年代のアメリカにタイムスリップしたような感覚になる
2. ポップではあるがギターが全面に出ているので軽いという感じはしない
3. 2曲目に全米No.1になった大ヒット曲[Keep On Loving You]。これについてはこれという感想はない
4. ポップさとアメリカン・ロックのダイナミズムのバランスが良い。
5. 軽いという感じは受けず、アメリカン・ハード・ポップの良曲揃い。
6. 後半(B面)もダレずに良曲揃い。
7. 問答無用なシンプルで気持ちが上がるロック・ナンバーが続くのが良い
8. 全曲通してケヴィンのヴォーカルが良い。これだけ個性的な温かみのあるロック・ヴォーカリストは稀有な存在

といったところです。


いわゆるA面はまさにシングルヒット攻撃です。
当時ヒットしたシングルヒット曲が続きます。

なんて言っても[Keep On Loving You]はアメリカン・ロック・バラードの代名詞にして大スタンダード。
大ヒットしたので今でもいろんなところで聴くナンバーですが個人的には印象に残らないバラードです。
個人的にはREOのもう一つの大ヒットアルバム[Wheels Are Turnin']収録の[Can't Fight This Feeling(涙のフィーリング)]の方が好きです。

ギターの骨太さと気持ち良いメロディアスなギターソロの3曲目[Follow My Heart]のようなロックチューンがしっかりあるのが良いです。

4曲目の[涙のレター(In your Letter)]はオールディーズっぽい甘酸っぱさがありメロディが秀逸。
日本でも2位まで上がるヒットになったようです。納得です。

5曲目の[Take In On The Run]も全米5位まで上がるヒット曲。
バラードとしては個人的にアメリカン侘びサビといった風の伝統的なアメリカン・ロッカ・バラードの方が好きだな。
バックのアコギが印象的でそれに絡むギター・ソロもこのバンドが単なる産業ロックバンドではない骨太さが感じられます。

前半(A面)のヒット曲のオンパレードも聴き心地が良いのですが、B面のアメリカン・ロック・バンドの真骨頂という感じの流れが素晴らしいです。
アルバム通して捨て曲なしというのが大ベストセラーの所以でしょう。

シンセを使った曲もあったりポップな曲は多いですがとここぞという時の印象的なギターリフやソロが印象的で、どっしりとした演奏力を感じさせるのも時代に風化しないロックの名盤たる所以でしょう。

何よりREOの個性はケヴィンのアメリカン・ロックによく合う優しく温かみのあるヴォーカルです。
REOスピードワゴン=ケヴィン、と言っても良いほどのワン・アンド・オンリーなヴォーカリストでしょう。
ケヴィンの声があるかぎりREOは続く...

エヴァーグリーンな名曲揃いで気持ちを明るくしてくれるアメリカンピュアロックバンドの最高傑作です。
トータルの曲の素晴らしさという点では僕のリアルタイム体験の次々作[ホイールズ・アー・ターニン(Wheels Are Turnin')]を超えていっていいでしょう。

もうケヴィンは72歳で、唯一のオリジナル・メンバーのニールは77歳。
日本公演はバンドの全盛期の1985年のみ。
今もし来日したら日本中のオールド・アメリカン・ロック・ファンが集結するほどのお客さんが入るのではないでしょうか。
大きなアリーナでは出来ないだろうけどホールクラスは埋まりそうな気が来ます。
アメリカでは精力的にライブをこなしているし、箱の大小にこだわりそうなバンドではないと思うので(あくまでイメージ)、最後となりそうな来日公演熱望です。

ではまたお会いしましょう。

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