水素が機械用部品に用いられる金属材料に侵入すると、材料の種類によっては本来材料が持っている粘り強さが失われて脆くなり、部品が早く壊れてしまうことがあります。

 この現象を水素脆化(すいそぜいか、hydrogen embrittlement)と呼びます。水素脆化の強弱は金属中の水素の量や拡がり方に依存するため、機械部品の開発・設計の上でこの調査は不可欠なものになります。

 SIMSは最小で直径数ミクロンの範囲の水素の量を測定できる分析方法なのでこの調査を行うことができるはず・・と長い間期待されて来ました。

 しかし、この水素の局所分析は非常に難しいことがよく知られていました。SIMSで試料中の水素を測定する時、水素を全く含まない試料であっても、高い強度の水素が検出されてしまいます。この水素はSIMS試料室の真空中や、試料表面に存在する水分子、炭化水素分子等の分子中に水素原子を含む物質に由来する水素で、「バックグラウンド水素」と呼ばれています。SIMSで金属試料に含まれる微量の水素の正確な測定を目指す場合、先ずバックグラウンド水素の低減と定量的評価が不可欠となります。

更に、次のことに注意を払う必要があります。

 

・実用金属材料は製造の段階で混入した微量の水素を含む。

・母相と介在物・析出物など第二相間では、スパッタ速度(SIMSの一次イオンビームが試料を掘る速度)が異なるため、異なる相間で水素イオンの発生量、バックグラウンド水素の付着量が異なる。

・金属の種類によっては表面部に金属水酸化物層が生成している。

更に、次のことに注意を払う必要があります。

 

・実用金属材料は製造の段階で混入した微量の水素を含む。

・母相と介在物・析出物など第二相間では、スパッタ速度(SIMSの一次イオンビームが試料を掘る速度)が異なるため、異なる相間で水素イオンの発生量、バックグラウンド水素の付着量が異なる。

・金属の種類によっては表面部に金属水酸化物層が生成している。


‪ ⭐️私は、SIMSで金属中の水素を局所分析するにあたって、これらの課題を解決し、水素を正確に測定するための方法を研究し、【SIMSによる金属中の水素の分析指針】を提唱しています。‬

‪https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/100183/a6bb0f6fd63a81a03ec7e3526de2d8a5?frame_id=419051‬