戦争と平和、第4編から 無為と神の呪い、そしてビューティフルドリーマーのラムちゃん | 京都のロケットハウス

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東日本大震災の被災者の方々そして日本の原子力発電所の爆発事故の被害者の方々にこころからお見舞いを申し上げます。

無為安逸を愛する心とそれに対する神の呪いについてこんなふうに書かれている。

「聖書の伝説は説いている。勤労のないことー遊惰は、堕落以前の原人にとって、幸福の条件であったと。無為安逸を愛する心は天国を追われた人間にも、いぜんとして残っていたが、神の呪いはたえず人間を押しひしぎ、単にあせして自己のパンをえなければならぬという理由からばかりでなく、みずからの精神的特質によって、われわれは、無為にして平然たることはできないのである。心内の秘密の声は無為であることに対して、われわれは罪を受けねばならぬぞと説く。もし人が無為でありながら、自分は有益な人間である。おのれの義務を履行していると」感じられるような状態を発見することができたら、人は原始的な幸福の一面を発見したものというべきであろう。」

 

そしてニコライ若伯爵は、それが可能な。「平時の軍隊」で無為安逸を楽しんでいたのだが、一族の様々な理由から実家の戻らざるを得なくのである。

 

この神の呪いから、うる星やつら、ビューティフルドリーマーのラムちゃんは逃れているのではなかろうか。ラムちゃんはあたる一家を友人たちとの永遠に続く無為安逸と呼べる生活に十分満足していて内心には罪の意識はかけらも生じていない。つまりラムちゃんは地球人でなくて異星人だから、地球人の神の呪いからは逃れられているから、それは当然なのであろう。