檸檬 梶井基次郎を読む | 京都のロケットハウス

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東日本大震災の被災者の方々そして日本の原子力発電所の爆発事故の被害者の方々にこころからお見舞いを申し上げます。

連休の二日目に、梶井基次郎の「檸檬」を読んだ。日々次から次へと起こる小さな又小さくない患いこと、病気のこと人との関係のこと金銭のこと過去のこと将来のこと。そのいくつかが少し収まってきて、昨日は掃除や買い物をして、今朝少しの余裕を持ちました。そこで買いおいていた読みたかった本を読んだ。武蔵野書院版の梶井基次郎の「檸檬」の復刻版で「聖戦、名著複刻全集、近代文学館」の「檸檬」。古書だが内箱、外箱の二重の箱入りの豪華本なりぃ。

大正時代の旧字にふりがなで休日読書の風情をかもしだす。ふふふ、いい雰囲気やねぇ。

昔に文庫本で読んだと思うが、内容はすっかり忘れていたので、初めて読むのと変わらなかった。10頁の短編。大正時代の寺町二条の果物屋さんと河原町の丸善を主な舞台としたお話で、あらかじめ想っていたのとは違った、幻想的で過激な内容でとても面白かった。

くすんで暗い京都の街並の中で、にぎやか寺町寺町だった寺町だが、その二条角の果物屋の周りだけ暗く、そのためことさらその店の灯りが際立っていた。ここのところは鈴木翁二風。

そして丸善で檸檬爆弾をしかけるところは安西水丸風。

と、こんな風な映像を思い浮かべながら楽しく読み終えました、マル