シンガポールに住んでいる。
COVID-19のサーキットブレーカーが解除された際、
なんとなく健康診断に行ってみた。
なぜだか分からないけど、定期健康診断を予約していた。
当日は空がどんよりしていたのを覚えている。
サーキットブレーカー解除後だったので、
健康診断で訪れていた人は僅かであった。
そして、私は解除後一番最初の受診者であった。
COVID前の健康診断といったら、
予約しているにも関わらず待たされて、
1日がかりだったのを思い出した。
あの時に比べたら今日は空いてるしスムーズだこと。
心なしか、ドクターはいつもより時間をとって
診断していてくれるような気がした。
問診が終わり、乳がん触診に移った。
胸をドクターの指で押さえられ、胸の上を右回りに押していく。
右側から始まり、左側、そしてまた右側に戻ってきた。
ドクターの指は何回か同じ箇所を行ったり来たりしている。
私は心の中で、「もういいよ、何もないんでしょ。早く終わってよ。」
と思っていた。しかし次の瞬間、ドクターが
「You have a small lump(小さな腫瘤が)」と言った。