今日は研究について書き留めようと思います.
以前,「疑ってかかれ!批判はするな!」という記事を,
偉そうに前編・後編に分けて書きました.ww
https://ameblo.jp/rocketdive0810/entry-12567175311.html
https://ameblo.jp/rocketdive0810/entry-12567662776.html
この記事は,つまりは,
「データの読解力って大事」ということと
「得られたデータは建設的に考える」ということを
まとめました.
…まとまっていたかなぁ?ww
そこでチラッと
「データってタダじゃないんだよ!」
と書いたのですが,
その話です.
データをとって並べてしまえば,
単なる数字の羅列,
視覚的にまとめられたグラフになります.
それをみて,
意味がある・ない,や,
価値がある・ない,と言った話になるのですが,
まぁ,それは当たり前として,
なんか作業的にデータを扱ってしまうケースもみられます.
私はリハビリ関係・介護支援関係の研究を
進めているのですが,
対象の多くは「ヒト」になるわけです.
そこで,データをとろうとすると,
その人のお時間をいただき,
時には身体的負担を伴う内容もあったりします.
もちろん,同意の上に研究に協力してくださっているわけですが,
研究者はそのことを絶対に忘れてはいけませんよね.
特に研究者の指示を受けてデータをとっている人や,
臨床経験のない大学院生,
はたまた「データをとる=研究をしている」と思っている人は,
今一度,自分がなぜこのデータをとっているのか,
とるべきなのか,とらなくてもよいことをしていないか,
考えた方がいいよなと思うことがあります.
ここで,便利なフレームワークの一つに
「FINER」というものがあります.
下記のサイトで自治医科大学の大口昭英先生が
詳しくまとめてくださっているので,
興味のある方はご一読を.
http://www.jichi.ac.jp/openlab/newsletter/letter40.pdf
これは研究に重要な要素の頭文字を並べたものです.
F: Feasible 実現可能性 その研究,本当にできる?
I: Interesting 科学的面白さ どこに関心をおくべき?
N: Novel 新規性 過去の研究と比べて何が新しい?
E: Ethical 倫理性 いろんな負担への配慮はできてる?
R: Relevant 必要性・社会的な意味 本当に必要な研究?
データをとる際,いや計画を建てる段階で,
改めてこれについて考え,
そして,その研究に関わる全員が,
反射神経的に言えるようにした方が良いと思います.
以前のブログで書いた,
「そもそもこれって意味あるの?」とか言われてしまっても,
上記がしっかりしていれば,
「あ,それはこういう面白さや,こういう新規性があって…」
と言えますよね.
そこで,
「いやー,よくわかんないっす.ないかもしれませんね.あはは」
と言ってしまうのは,
何より時間と体を提供してくださった,
対象者の方々に申し訳ないですよね.
FINERについては,
京都大学の福原俊一先生がさらに進化させた,
「FIRM^2NESS」というものもあります.
詳しくは下記の著書や,
多くのサイトで取り上げていますので,
興味のある方は是非.
『臨床研究の道標(上巻・下巻)』
(福原俊一 著・健康医療評価研究機構)
こう言った数字に乗っかった人の苦労や思いに関しても,
忘れずにちゃんと伝えられる研究者・指導者になれるよう,
心していきたいと思います.